がん見落とし2人死亡 千葉大病院、CT判断ミス

2018/6/8 13:13 (2018/6/8 18:47更新)
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千葉大病院(千葉市)は8日、患者9人のコンピューター断層撮影装置(CT)の画像診断でがんの所見を見落とすなどして、4人の治療に影響があり、このうち2人が死亡したと発表した。死亡したのは腎がんの60代女性と肺がんの70代男性。女性はがんの治療開始が4年以上遅れた。病院は「診療科の複数の医師が、自身の専門領域だけに着目して診断したため、他の部位のがんを見落とした」と原因を説明した。

記者会見する千葉大病院の山本修一病院長(中央)ら(8日午後、千葉市)=共同

病院によると、9人は正式報告があった時点で30~80代の男性5人と女性4人。60代女性は2013年6月に炎症性腸疾患のCT画像で腎がんの所見があったが、担当医が腸に着目して見逃し、17年10月に他の病気の再検査でがんが発覚。同12月に死亡した。山本修一病院長は「最初のCT検査後に治療していれば、死亡しなかった可能性がある」と述べた。

70代男性も16年1月、皮膚悪性腫瘍のCT検査で肺にがんの所見が出たが、医師が肺についての所見を十分確認せずに治療開始が1年以上遅れ、17年6月に死亡した。

死亡した2人を含む患者5人の診療科の医師は、放射線診断専門医が提出した画像診断報告書の確認が不足していた。別の2人については、専門医に画像診断を依頼せず、残る2人には画像診断報告書の作成遅れと未作成があった。病院側は遺族や患者に謝罪。補償も検討する。

17年7月に肺がんの疑いで呼吸器内科を受診した50代男性の担当医が、前年に男性が受けていた頭頸部腫瘍のCT検査の確認不足を疑い、同8月5日に医療安全管理部に報告し、発覚した。

病院はミスの背景として、診療科の医師の認識不足や電子カルテのシステムの不備を列挙。外部調査委員会の提言を受けた再発防止策として、7月に画像診断センターを設立し、現在10人の専門医を15人に増やし、画像診断報告書を患者にも一緒に確認してもらう仕組みをつくるとした。

公表が2人目の死亡から約半年後となった理由を「外部調査委員会の報告を待っていた」と説明した。

厚生労働省の担当者は立ち入り検査など今後の対応に関して「まずは病院の再発防止策の取り組み状況を確認したい」との考えを示した。〔共同〕

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