2018年8月20日(月)

首相、日朝首脳会談に意欲 トランプ氏「拉致を提起」

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2018/6/8 10:39
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 【ワシントン=地曳航也】安倍晋三首相は7日午後(日本時間8日未明)、ホワイトハウスでトランプ米大統領と約1時間40分会談した。首相は共同記者会見で、日本人拉致問題の解決を目指し北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談実現に意欲を示した。トランプ氏は12日にシンガポールで開く米朝首脳会談で拉致問題を提起すると明言した。

 会談は北朝鮮問題に多くの時間を割き、北朝鮮の非核化に向けた緊密な連携を確認した。日本側の説明によると、北朝鮮から非核化に向けた具体的な行動を引き出すため、制裁を続ける方針を申し合わせた。全ての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全放棄を定めた国連安保理決議の完全履行を北朝鮮に求める考えで一致した。

 首相は会談で「米朝首脳会談が成功し、核、ミサイル、拉致問題が前進するよう米国と緊密に連携したい」と強調した。

 拉致問題について首相は会見で「拉致問題の早期解決のため私は北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい。あらゆる手段を尽くす決意だ」と表明。「最終的には金委員長との間で解決しなければならないと決意している。問題解決に資する形で日朝首脳会談が実現すればよい」と語った。

 日朝平壌宣言に基づき国交を正常化し、経済協力を実施する用意があるとも指摘し、北朝鮮に行動を促した。米朝会談後に首相がトランプ氏から説明を受けることも確認した。トランプ氏は「首相の望み通り北朝鮮と議論したい」と述べた。

 貿易問題についても協議した。茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による新たな通商協議「FFR」の初会合を7月に開くことで合意した。4月の首脳会談で協議開始を合意していた。初会合の開催場所は今後調整する。

 トランプ氏は会見で「日本と公正で互恵的な2国間協定を求める」と語った。会談では、日米の貿易不均衡の是正に取り組む考えを示し、対日貿易赤字の削減を要求。首相は日本企業による米国内での雇用拡大への貢献について説明し、防衛装備品や米国産エネルギーの購入計画にも触れた。

 首相とトランプ氏の会談は7回目で、4月にフロリダ州のトランプ氏の別荘で開いて以来。冒頭、通訳とペンス副大統領、河野太郎外相のみを交えた後、人数を増やし昼食会を開いた。

 首相は北朝鮮への制裁維持の方針を確認する一方、会見で「圧力」という言葉を使わなかった。日朝首脳会談への意欲も示し、12日の米朝会談を前に対話ムードをつくろうとするトランプ氏に配慮した。貿易問題の議論は最小限にとどめ、日米の足並みがそろっていることを国際社会に示すことを優先した。

 拉致問題はトランプ氏が米朝首脳会談で直接提起し、金正恩氏がどのように応じるかが焦点になる。日朝対話の進め方は米朝首脳会談の結果次第で、拉致問題の進展はまだ見通せない。

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