2019年6月20日(木)

原油協調減産の裏で急増する天然ガス副産物

2018/6/8 12:00
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石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国が協調減産を進める陰で、生産が増えている油種がある。天然ガスの副産物であるコンデンセート(超軽質原油)だ。生産カットの対象になっておらず原油との代替利用も可能だ。協調減産の高い順守率を裏で支えているとの指摘もある。

コンデンセートは原油と同様、精製するとナフサや軽油といった石油製品を作れる。一般的な原油と違い、硫黄分や重油の含有率が低く「超軽質原油」とも呼ばれる。主要産油国では天然ガスの掘削過程でとれる。地下に気体で埋蔵され、地上に出ると液体になる。

国際エネルギー機関(IEA)がまとめたOPECによる4月のコンデンセート生産量は日量318万バレル。原油の協調減産が始まる前の2016年12月より5%増えた。

イラン(16年12月比で18%増)やナイジェリア(同13%増)の伸びが目立つ。イランについては「ガス田の開発が進み、生産が増える」(住友商事グローバルリサーチの舘美公子シニアアナリスト)との分析もある。

IEAによると、原油減産の順守率は4月時点で172%まで上がった。一方で原油の協調減産に当初、後ろ向きな姿勢を示していたイラン、ナイジェリアなどには、コンデンセート自体を分離して輸出する動きがうかがえる。

コンデンセートは「原油との成分の境界線が曖昧」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之氏)で、原油と混ぜて取引されることも多い。増産しても減産破りとの批判を受けない。コンデンセート増産が原油減産の高い順守率を裏で支えたともいえる。

楽天経済研究所の吉田哲コモディティーアナリストはコンデンセートについて「原油の減産当初から参加国をつなぎ留める逃げ道として用意されていた可能性がある」と指摘する。指標原油に対し上乗せ価格がつくため、産出国にとって外貨獲得にもうってつけだ。

OPECのコンデンセート産出量は原油の約10分の1にとどまり、原油の需給バランスへの影響こそ限られる。だが、米エネルギー情報局(EIA)はOPECによるコンデンセートを含む副産物の産出量が19年後半に向け、現在より5%増えると予測している。

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