被害救済「立法の義務ない」 強制不妊手術訴訟で国主張へ

2018/6/7 18:47
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旧優生保護法(1948~96年)下で知的障害を理由に不妊手術を強制されたとして、宮城県の60代女性が国に1100万円の損害賠償を求めている訴訟で、国側が「救済制度を立法する義務があったとまでは言えない」と反論する方針であることが7日、原告側弁護団への取材で分かった。

国は13日に仙台地裁で開かれる口頭弁論で具体的な主張を始める予定。原告側は「憲法が保障する自己決定権や法の下の平等に反する」として、救済や立法措置を怠ったのは違法と主張。国は答弁書で請求棄却を求めている。

弁護団によると、国は6日付の準備書面で「国会議員が個別の国民に法的義務を負うのは例外的な場合に限られる」との最高裁判例を引用。その上で、被害者への救済制度を立法しなかった国会の不作為は違法ではなかったと主張する。

救済措置を講じなかった政府についても「法案を提出し、救済のための施策を講じる法律上の義務を負っていたというのは困難で、違法と評価できない」としている。

原告側の新里宏二弁護団長は「原告が主張する手術の違憲性に全く反論せず、小手先の答弁に終始している。甚大な人権侵害に向き合い、反省する姿勢のかけらも見えない」と批判する声明を出した。

訴状などによると、女性は15歳だった72年、病院で「遺伝性精神薄弱」と診断され、県の審査会を経て不妊手術を受けさせられた。その後、日常的に腹痛を訴えるなど体調が悪化。手術が理由で縁談が破談になるなど、精神的苦痛を受けた。〔共同〕

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