第一三共、米で降圧剤訴訟和解 390億円支払い

第一三共は6日、高血圧症治療薬「オルメサルタン」の副作用を巡って米国で提起された製造物責任訴訟について3億5800万ドル(約390億円)を支払うことで原告側と和解したと発表した。3月に発表した合意条件に達した。第一三共は「法的責任を認めるものではないが早期解決を図ることが最善と判断した」とコメントした。
和解金の大半は保険でまかない、業績に重要な影響はないとしている。訴訟はオルメサルタンが重い下痢などの副作用を起こすとして2014年に初めて起こされ、原告は約2000人。
第一三共は17年8月、和解に同意する人が原告と一定の基準を満たす未提訴者の95%に達した場合に3億ドルを支払うことで合意したと発表。18年3月に同意者の割合を97%、和解金3億5800万ドルに変更したと発表していた。このほど同意者の割合が97%に達し、和解契約が有効となった。
オルメサルタンは世界で年間1000億円超を売り上げる第一三共の主力製品だが、米国では16年に特許切れを迎えた。19年3月期の米国での売上高は前期比67.2%減の70億円に落ち込む見通しだ。
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