被曝医療の研修を一本化へ 検査技能、効率よく習得

2018/6/6 10:54
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原子力発電所事故が起きた際に各地の被曝(ひばく)医療体制で中核を担う「原子力災害拠点病院」の人材育成を強化するため、原子力規制委員会は6日の定例会合で、医療従事者向けの研修制度を新設する方針を盛り込んだ原子力災害対策指針の改定案について議論した。

4月に制度新設の方針を決めており、改定案は了承される見通し。各地で行われている研修の内容を一本化する。2019年度の制度導入を目指す。

制度導入で、放射性物質や除染に関して正確な知識を学び、被曝患者らの検査や受け入れの技能を効率よく習得できるようにする。拠点病院の医師や看護師ら向けの研修は現在、各地の自治体や医療機関ごとに実施し、統一したカリキュラムがなく、医療現場で不安視する声が上がっていた。

新たな研修制度では、国は標準となる教材を提示し、医師や看護師らの職種に応じて取得が求められる技能や知識を明確にする。レベルごとに育成する人数も定める。基本的な研修の実施主体は道府県とし、拠点病院が協力する。

指針の改定案では、拠点病院では対応できない高度な治療を担う広島大など全国5カ所の「高度被ばく医療支援センター」のうち1カ所を基幹施設に指定し、専門家を育成する仕組みの中心とする。放射線医学総合研究所(千葉市)となる見通し。

国は、東京電力福島第1原発事故で被曝医療が機能不全に陥ったことを教訓に、原発関連施設30キロ圏の24道府県に拠点病院の指定を義務付けたが3月末時点で8府県は未指定のまま。人材育成が進まず、必要な医療従事者が確保できないことが一因となっていた。〔共同〕

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