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スバル、新たな燃費不正 吉永社長が代表権返上

SUBARU(スバル)は5日、完成車の検査工程で、新たな不正が見つかったと発表した。燃費・排ガス測定の試験で測定する際の条件を満たしていないにもかかわらず、試験を有効としていた事例があった。同社は4月末に試験データの書き換えが903台で見つかったと公表済み。重複分を差し引いて合算すると検査で不正があった車両は1551台に増える。

吉永泰之社長兼最高経営責任者(CEO)が責任を明確にするため、6月の株主総会後に代表権とCEOの肩書を返上する。3月に公表した人事では会長兼CEOへの就任を予定していたが、取締役会長となる。CEO職は中村知美新社長が兼務する。吉永氏は都内で記者会見を開き、「当社のステークホルダーに心よりおわびを申し上げる」と陳謝した。

不正が分かったのは、4月末に報告書を公表した完成車の一部を抜き取って調べる検査だ。5月に国土交通省が本社と群馬製作所(群馬県太田市)で実施した立ち入り検査を契機に、改めて社内調査をして発覚した。5月29日に国交省が同社に把握している内容を報告するよう求めていた。

測定データが保存されていた2012年12月以降に検査した6530台を調べて、うち927台で不正があった。燃費・排ガス試験では、計測機の上で車を走らせる試験の際、速度と室内の湿度で、国交省が定めた条件を逸脱した事例があった。本来は無効となるデータが有効とされていたことになる。一部で数値も書き換えられていた。

国交省は1カ月をめどに調査結果と再発防止策を報告するよう指示した。スバルは当時の担当者から聞き取り調査をして原因を究明すると同時に、車の性能に影響がないかどうかを調べる。現時点で得られるデータからは品質面の問題は無いとしたが、リコール(回収・無償修理)などの追加施策は「詳細な結果を待って検討する」(吉永社長)と述べるにとどめた。

927台のうち、試験の測定データを書き換えた事例も明らかになっており、台数や実態を再調査する。既に不正の防止策は打ったとしており「問題がこれ以上拡大する可能性は無い」(同)と説明している。

吉永氏は記者会見で「コンプライアンス上、到底許容されない問題と認識している」と述べた。次々と不正が判明したことについては「あってはならない。今度の調査を本当に最後にしないとブランドが傷つく」と話した。

4月末に書き換え問題の報告書を公表した際には、吉永氏が「現時点で他に調査が必要な事案はない」としていた。新たな不正の発覚を受け、石井啓一国交相は「全容解明に対する取り組み姿勢に疑問を抱かざるを得ず、極めて遺憾だ」とコメントした。

スバルは6月22日の株主総会後に中村知美専務が社長に昇格し、今夏には主力車「フォレスター」の新型車投入も控える。経営陣、製品群ともに移行期を迎える中での新たな不正発覚により、経営への影響は長期化が避けられない。

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