時価総額、アステラスが武田を逆転 1年10カ月ぶり
大型買収に懸念強く

2018/6/5 20:30
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5日の東京株式市場でアステラス製薬の時価総額が武田薬品工業を越えた。2016年8月以来、約1年10カ月ぶりの逆転になる。武田は7兆円弱でアイルランド製薬大手シャイアーの買収を決めた。市場では財務悪化や将来の成長性に対する懸念がなお根強い。武田から他の製薬株に資金が移動しているようだ。

武田株の5日終値は前日比53円(1%)高の4296円と3日ぶりに反発したものの、前日までは連日で年初来安値を更新していた。シャイアーの買収検討が表面化した3月下旬からの下落率は22%に達する。アステラスは同じ期間に9%上昇しており、今年1月に約2兆3000億円あった時価総額の差が急速に縮まった。

武田は買収額のうち4兆円規模を新株の発行で賄い、3兆円超は新規に借り入れる方針だ。財務の悪化懸念に加え、5月14日には19年3月期の業績が減益になる見通しだと発表し、売り圧力が一段と強くなった。武田株を保有するファンドマネジャーは「シャイアーの成長性に不透明感があり、買収で1株利益が増えるという会社側の説明は現時点で説得力を欠く」と指摘する。

アステラスは2月に細胞医療を手掛ける米ユニバーサル・セルズを最大100億円で買収するなど、巨額買収とは一線を画している。5月末に発表した自社株買いも買い材料となり株価を支えたようだ。

中外製薬第一三共などの株価も上昇傾向にある。市場では「製薬セクターの安定感は変わっておらず、武田株を売り別の製薬株を買う動きが活発になっている」(カブドットコム証券の河合達憲氏)との見方が出ている。

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