2018年11月13日(火)

アウディの電動SUV、ミラーレス化で空気抵抗低減

科学&新技術
BP速報
2018/6/5 18:00
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日経クロステック

ドアミラーをカメラにすることで空気抵抗を低減(出所:アウディ)

ドアミラーをカメラにすることで空気抵抗を低減(出所:アウディ)

独アウディは、電気自動車(EV)のSUV「e-tron」がドアミラーをカメラにすることで空気抵抗係数(Cd値)0.28を実現したと2018年5月30日に発表した。これまでにドイツにある風洞実験センターの空力音響試験装置で、e-tronプロトタイプの空気抵抗や騒音について既に1000時間以上試験しているとのこと。

空気抵抗は転がり抵抗などより、高速走行時のエネルギーの消費量が多い。EVにおいて空気抵抗を減らすことは、航続距離を延ばすことに直結し、Cd値が0.01下がると1回の充電当たりの走行距離が5km延びるという。空気抵抗の低減は、EVの航続距離を国際的な燃費試験法のWLTP基準で400km以上とするための重要な要素だ。

■電子ミラーと可変エアサス

空気抵抗を低減した最大の要因はミラーレス化したこと。電子ミラーは、通常のドアミラーに比べてボディーからの突出が150mmと小さく、空気抵抗を減らすだけでなく風切り音も低減できる。内蔵した小型カメラで映した映像をインパネとドアの間に設置した有機ELディスプレーに表示する。

可変エアーサスペンションを標準装備。アンダーボディはアルミニウム板で完全に閉じられている(出所:アウディ)

可変エアーサスペンションを標準装備。アンダーボディはアルミニウム板で完全に閉じられている(出所:アウディ)

もう1つ重要な要素は、可変エアーサスペンションを標準装備したこと。調節可能なダンパーを備えたエアサスは、120km/時を超えるとボディーを26mm下げる。

また、アンダーボディはアルミニウム板で完全に閉じられており、縁石や走行時に跳ね上げられた石から高電圧2次電池を保護している。ボルトを止める部分にはボール状のくぼみが付いている。これはゴルフボールのディンプルと同じで、平たんな表面より空気の流れを良くする。

フロントの可変吸気口は完全に閉じているときは空気が渦巻くことなく流れる。駆動系部品が冷却を必要とする場合、もしくは室内が換気を必要とする場合は、自動で吸気口が開く。またホイールアーチにはダクトが組み込まれており、通常は19インチホイールの外側に空気を流す。油圧式ブレーキに高負荷がかかると、ホイールアーチからブレーキへと空気を導く2つのダクトを開く。255/55サイズのタイヤは転がり抵抗が非常に低く、タイヤの側面にも空力設計を適用した。

こうした空気抵抗の低減策によりe-tronは通常のエンジン車と比べてCd値が0.07低くなった。1回の充電による航続距離が35km延びたことに相当する。

(ライター 櫛谷さえ子)

[日経 xTECH 2018年6月4日掲載]

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