2018年10月17日(水)

ブロックチェーンやクラウドに広がり、ビジネスに変革
世界デジタルサミット2日目

デジタルサミット
2018/6/5 11:59
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人工知能(AI)を軸にした技術革新について議論する「世界デジタルサミット2018」(日本経済新聞社・総務省主催)が5日午前、日経ホール(東京・大手町)で2日目の討議に入った。テーマは「シンギュラリティへの挑戦」。ブロックチェーン(分散型台帳)を中心とした新技術の活用が進み、クラウドがより一般的になるとする指摘が相次いだ。

講演するクロフォード・デルプレテ米IDC代表執行役副社長(5日午前、東京・大手町)

講演するドリュー・ハウストン米ドロップボックスCEO(5日午前、東京・大手町)

講演するアダム・ディアンジェロ米クォーラ創業者兼CEO(5日午前、東京・大手町)

講演するクリス・ハリントン米ドーモプレジデント(5日午前、東京・大手町)

討論する(左から)ハリントン、ディアンジェロ、太田の各氏(5日午前、東京・大手町)

米調査会社IDCのエグゼクティブ・バイスプレジデント、クロフォード・デルプレテ氏は講演で「ブロックチェーンは不動産などの売買に革命を起こす」と指摘。さらに「2027年までには、高級ジュエリーショップや医療分野など偽造が許されない分野での利用が進むだろう」と話した。

さらに、ブロックチェーンやAI、クラウドの登場が企業の行動に大きな影響を与えたと指摘。「60%の会社が変革に対応を始めたばかり。これからはコスト削減だけでなく収益拡大のために新技術を積極的に使うだろう」と予測した。

利用者が各社のサービスを組み合わせて使っていることも指摘し「競争ではなくエコシステムを作る時代だ。米マイクロソフトが開発者向け共有サイトの米ギットハブを買収したのも証左だ」と話した。

米ドロップボックスの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のドリュー・ハウストン氏は日本経済新聞社の関口和一編集委員と対談し、「クラウドのセキュリティーに対する人々の考え方が変わった」と述べた。以前は大多数がデータを預けることに不安を覚えていたが「むしろ今は預けた方が安全だ」などと話した。

さらに「日本にはスタートアップの素地がある」とし、企業が優秀な人材をひき付けるには「世界にどれだけインパクトを与えられるかどうかがポイントになる」と指摘した。

質問サイトを運営する米クォーラのアダム・ディアンジェロ最高経営責任者(CEO)は講演で「AIはインターネット空間で共有される情報の質を向上させる。ヒトとAIが協業することで世界中の人々が質の高い知識を共有できるようになる」と発言。「ネットの誕生により情報の流通コストは飛躍的に下がったが、消費できる時間は限られる。AIを使えば本当に必要な情報を取捨選択できる」と説明した。

一方で、「すべてをAIがやれるわけではない」とし、AIが力を発揮するには、人が持つ知識や経験が欠かせないことも指摘した。

米ドーモのクリス・ハリントンプレジデントはデータの収集や活用の重要性を認めつつ、「データだけを見てはいけない」と指摘。「テクノロジーに適切に投資し、プロセスを改善できるよう努めるのが重要」と述べた。さらに「日本では経営の意思決定に時間がかかり、競争力を失っている」とし、非効率な日本の経営に警鐘を鳴らした。「時間のかかるデータの収集などが効率化されれば、より価値の高い仕事に注力できる」との見方を示した。

午前のパネル討論「シンギュラリティに挑む起業家精神」には起業家らが参加し、5月に欧州で施行された個人情報の利用を制限する「一般データ保護規則(GDPR)」についても活発に議論された。

ビッグデータ解析支援を手掛ける米トレジャーデータの太田一樹最高技術責任者(CTO)は「消費者の利益を守り、適切に制限すべきだ」とGDPRに一定の評価をする。「世界初の実験」と位置付け、「トレンドを注視していきたい」と述べた。

一方、クォーラのディアンジェロCEOはGDPRについて「イノベーションにとっては負担になる」と述べた。グーグルやフェイスブックなど米のプラットフォーマーを規制するものだが、太田氏は「中堅・中小の企業も対象となると、業務負担が大きい。大企業は弁護士を雇う余裕も予算もあり、大企業がもっと強くなる可能性がある」と話した。ディアンジェロ氏も「規制当局が一方的に(制度)を出すのではなく、企業からもアイデアを出すべきだ」と続けた。

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