隣国マレーシアで続く裁判 金正男氏殺害事件
米朝首脳会談ライブ

米朝首脳会談が開かれるシンガポールの隣国、マレーシアでは2017年2月、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された。実行犯として起訴されたベトナム人のドアン・ティ・フォン被告とインドネシア人のシティ・アイシャ被告の裁判が続いている。
事件現場となったクアラルンプール国際空港は、シンガポールから直線距離で300キロ弱。日本でいえば東京と名古屋ぐらいの距離だ。
17年10月に始まった公判は、検察側が30人余りの証人を呼び、18年4月までに合計で約40日間かけて実施された。現地報道によると、6月下旬に検察側、被告側の双方が口頭で意見を述べる場が開かれる。判決はそれ以降になる見込みだ。2人の被告は初公判の際に無罪を主張した。
正男氏殺害で主導的な役割を担ったと疑われている北朝鮮籍の4人は事件後に国外に逃亡したままだ。北朝鮮による国家的な関与はあったのか。裁判で当日の犯行の様子が徐々に明らかになる一方で、事件の全容解明にはほど遠い状況だ。
(シンガポール=岩本健太郎)