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「午前中だけ運動会」広がる 共働き家庭に配慮

5月にピークを迎えた運動会。今年は午前中のみで終える小学校が急増した。共働きの親が多くなったことや授業時間の増加を見据えて教員の負担を減らす必要があることが背景になっている。種目数を絞り、入退場の行進をやめるなど全国の小学校で運動会の「時短化」が進む。

5月26日、札幌市の小学校では午前8時45分に始まった運動会が午後1時ごろ終わった。ダンスの演技種目や玉入れなどの時間を2割縮めて、クラス対抗の選抜リレーの参加者も10人を6人に減らした。

閉会式が午後3時すぎに終わるのが例年のプログラム。午後の部を行わないのは初の試みだった。教頭は「教員たちも午後は休める。午前だけにしたのは良かった」。札幌市教育委員会によると、今年度は市内201校のうち82校が午前中のみの開催。「午前だけ」は昨年度の3倍になった。

愛知県安城市はホームページ上で「共働きの夫婦、母子・父子家庭などの負担に配慮し、弁当の必要のない午前中だけの運動会をお願いします」との保護者の意見を公表。市内21校のうち9校が今春の運動会を午前中で切り上げた。徒競走を低学年だけにするなど時短化する学校が急増した。保護者から「弁当作りや場所取りなど負担が大きい」といった意見が寄せられていたという。

ただ、楽しみにしていた競技や種目が削られることを残念がる児童もいる。市教育委員会の担当者は「多くの声を聞きながら、一番良い形を模索していく」と話す。

東京都中央区立佃島小学校では周辺に多くのマンションが建設されて住民が流入。児童が前年度から約40人増えて745人になり、「これまで通り午後3時をめどに終了するため」(三木滋校長)に知恵を絞った。

5月26日の運動会では競技の入退場の時間をなるべく減らし、徒競走のコースを5から6へ増やした。6人で競うようになり微妙な順位判定が起きることを想定して、映像判定を導入。職員がタブレット端末でゴールの瞬間を録画した。

運動会の時短化は全国的な傾向。特に今年度は午前中だけの開催が目立った。文部科学省は17年3月に英語の正式教科化などを盛り込んだ20年度実施の新学習指導要領を告示。3~4年生で「外国語活動」が導入されるなど、授業の負担が増し、運動会の準備に割ける時間が減る。

6月2日に運動会を開いた札幌市の別の小学校では開会式での入場行進をなくし、玉入れもプログラムから外した。この学校の教頭は「練習時間を1コマでも削れれば、授業時間を捻出できる。今から(午前中開催を)試行しないと2年後に間に合わない」という。

教育評論家の尾木直樹氏は「運動会はみんなで持てる力を出して成果を得るという重要な役割がある」と指摘。練習も含めて時間を削るなら「競うだけでなく、運営も児童が担うなど、運動会のかたちを見直すことも必要」と話している。

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