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アップル、「Siri」使いやすく 管理アプリを発表

【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは4日、サンノゼ市内で開いた世界開発者会議(WWDC)で、人工知能(AI)を用いた音声アシスタント「Siri(シリ)」を使いやすくするためのアプリ「ショートカット」を発表した。よく使うアプリと呼びかける文言などを設定しておくことで、iPhoneなどのアプリと連携させやすくなる。音声アシスタントはタッチパネルに代わる入力装置として有力視されている。他社と比べて劣る認識精度などをどこまで巻き返せるかが課題となる。

例えば「鍵をなくしちゃった」としゃべりかければ、スマートキーのアプリが反応し、無線タグがなるなどしてどこに鍵があるかを教えてくれるようになる。利用者が自分の生活に応じてよく使うアプリとシリを操作する方法を設定しておくことで、今までよりも簡単にシリを使えるようになるという。今秋に更新予定の基本ソフト(OS)「iOS12」で利用できるようになる。

シリは同名のスタートアップ企業が手掛けていたサービスを2010年にアップルが買収し、iPhoneやMacなどに搭載先を広げてきた。音声アシスタントとしては先駆けだった。ただ、データを吸い上げない方針などが影響し、音声アシスタントとして賢くなるスピードでグーグルの「グーグルアシスタント」やアマゾン・ドット・コムの「アレクサ」などに遅れている。

米マーケティング会社のストーンテンプルが4月に公表したアシスタントの賢さの比較調査によれば、4952問の質問を理解して「回答を試みた比率」はグーグルアシスタントが最も高く、マイクロソフトの「コルタナ」、アレクサが続いた。シリは約40%で最下位となり、そのうち正しく答えた比率も約8割と他社より低かった。

スマホでは画面上のアイコンを触ったり、キーボードを打ったりとタッチによる操作が主流だったのでSiriの遅れはさほど目立たなかった。ただ、アマゾンなどがスマートスピーカーの市場を切りひらいたことで「音声」による操作に親しむ人が増加。グーグルは5月の開発者向け会議で美容院やレストランの予約をこなす音声AIのデモを披露し、世界を驚かせた。

アップルが開発中とされるAR(拡張現実)対応の眼鏡でも「声が(人と端末の)新たな接点になる」と、AR端末や部材を手掛ける米コピンのジョン・ファン最高経営責任者(CEO)は言う。アップルにとって音声での劣後が致命的になる可能性は年を追うごとに高まっている。

シリの創業者の1人であるアダム・チェイヤー氏は5月、日本経済新聞の取材に「すべての(音声)アシスタントはとても良く進化しているけれど、いずれもまだ改善が必要だ」と話した。今回アップルが発表した「ショートカット」は利用者が一手間をかけることでシリを使いやすくするための仕組みだ。グーグルからAI担当の幹部を引き抜くなどしてシリ自体を「賢く」しようと急いでいる。

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