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アップル「スマホ中毒」に対策 アプリ別の時間制限など

投資家要請に回答

【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは4日、サンノゼ市内で開いた世界開発者会議(WWDC)で「スマートフォン中毒」への対策を発表した。アプリ別に1日の利用時間を決めたり、「通知」をするか否かを設定しやすくしたりする。スマホ中毒の多くはソーシャルメディアやゲームアプリが主因だが、機関投資家が「スマホ産業の先駆者」としてハードを提供するアップル自ら対策を取るように求めており、それに回答する格好だ。

「集中しなければいけない時に(スマホによって)妨げられてしまうことがある。時間を邪魔されないようにする」と、アップルのクレイグ・フェデリギ上級副社長は説明した。

1週間のiPhoneやiPadの利用時間をまとめて利用者に知らせるほか、どんなアプリの利用度合いが高いかもわかるようにする。アプリごとに利用する時間を設定し、設定時間が迫ると利用者に知らせる機能も追加する。会場ではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「インスタグラム」の利用中に「今日はあと5分まで」という表示を出すプレゼンテーションを紹介した。

会議やイベントが終わるまでスマホが通知をしない設定をできるようにするほか、アプリ別の通知の有無の設定もこれまでよりも簡単にする。使用頻度が低いアプリについては人工知能(AI)アシスタントの「Siri(シリ)」が通知の取り消しを提案する機能も設ける。

アップルは従来も、親が子どもが使うアプリの種類などを制限できる機能を用意していた。ただ1月にアップル株を保有するJENAパートナーズとカリフォルニア教職員退職年金基金が公開書簡で不十分だと指摘。「アップルの端末は幼い子どもや10代の若者に行き渡り、ソーシャルメディアも普及した。(アップルが)意図せずとも負の影響を与えている可能性がある」として改善を要望していた。アップルもかねて対策を進める方針を打ち出していた。

実際、生まれた時から「iPhone」や「iPad」が身近にある子どもが増えるにつれ、スマホ中毒への懸念は広がっている。JENAらは書簡のなかでで米サンディエゴ州立大学のジーン・トゥウェンテ教授の調査として、電子機器を使う時間が長い子どもほど睡眠不足に陥り長期的に肥満や高血圧の懸念が高まること、自殺のリスクも高いことを紹介した。

しかも「多くのアプリは滞在時間が長いほど広告や課金収入が増えるため中毒を促す仕掛けを盛り込んでいる」と、スマホ中毒の診断サービスを営むゲイブ・ジカーマン氏は指摘する。プッシュ通知や未読投稿の数などを示すアプリの「右上の数字」は代表例だ。

一方で、アップルは広告宣伝などでiPadのアプリを使って絵を描いたり、調べ物をしたりする子どもたちの姿などを頻繁に描写している。アップルの「アップストア」では200万のアプリが提供されており、アップストアがアップルとアプリ開発者にもたらした収入は17年だけで425億ドルに上る。経済圏の中核にいる企業として社会問題への対策姿勢を打ち出すことはブランディングのためにもより重要になってきている。

アップル製以外のスマホに基本ソフト(OS)「アンドロイド」を提供するグーグルも5月にスマホの利用実態を管理する機能を発表している。

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