中小、収入増でも支出抑制、人口減・後継難 日銀調査
日銀は4日、中小企業が人口減少や後継者問題を懸念して投資に慎重になっている、との調査結果をまとめた。足元の業績が好調で手元資金が豊富な企業でも投資が増えにくくなっている。
1月から4月下旬にかけて、収益が伸びても設備投資があまり増えていない企業を中心に約2000社から理由などを聞き取り調査した。
資本金10億円未満の中小・中堅企業では「人口減少による内需の先細り」「事業承継問題」「リーマン・ショックのトラウマ」をあげた企業が多かった。
人口減少に関しては、需要が好調な保育事業をてがける首都圏の企業からも「潜在的な保育需要は減少し始めた可能性が高い」とし、投資を抑制するとの見通しを示した。
後継者難に悩む企業からは「中長期的な事業継続に不安がある」(神戸・鉄鋼)との悩みもあった。リーマン・ショックで受注が急減した企業は「受注が過去最高水準でも積極的な設備投資に踏み切れない」(広島・生産用機械)と答えた。
日銀は事業承継やリーマン・ショックの影響はいずれ和らぐものの、人口減少は「(投資の)下押し圧力として働き続ける可能性が高い」とみている。
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