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日本ハム清宮、さまざまな非凡さ見せた第1幕

日本ハムのスーパールーキー、清宮幸太郎(19)が5月28日、交流戦開幕を前に2軍降格となった。同月2日に昇格し、打率1割7分9厘、本塁打1本、2打点。主力を張るにはまだまだ遠い現状を突きつけられつつ、数字には表れない非凡さも随所に見せた1カ月でもあった。

5月9日のオリックス戦でプロ初本塁打を放った清宮。「まぐれではない」と言い切った=共同

19打席無安打に終わったオープン戦での"初打席"から、苦境が続きながらも頑として変わらなかったものがある。何年もプロの飯を食ってきたような悠然と打席に入る振る舞いと、紋切り型の言葉をよしとしない試合後の受け答えだ。

1軍に昇格してすぐにフェンス直撃の二塁打を放ったデビュー戦は「どぎまぎするようなことはなかった」といい、快打の後は楽天・岸のチェンジアップに連続三振を喫し、「裏を突かれた。岸さんの投球と嶋さんの配球にやられた」。そこには「無我夢中で振りました」「無心でいきました」といった新人にありがちな青臭さはない。そのレベルが既に投手との駆け引きといった域にあるのは、「懐が深い。なめていったらやられる」(嶋)とスライダー、カーブ、チェンジアップとあらゆる球種を使って仕留めにかかったバッテリーの攻めが物語っていた。

同月9日に右翼席に鋭く突き刺した初アーチも「いろいろと打席を重ねてきて打てたホームランなので、まぐれではないと思う」と言い切った。ここまで立った71打席のうち三振は28個に上るが、頭の中がぐちゃぐちゃになっての結果というよりは、狙い球を絞ってしっかりと振りにいってのものだった。焦りから中途半端に当てにいったような打撃は数えるほどしかなかった。五里霧中のままプロの世界をさまよったわけではなく、栗山監督も「前に進んでいる」とことあるごとに評価していた。

成績自体、過去の超高校級といわれた打者と比べても悲観するものではない。70打席時点で3割2分8厘の打率を挙げた大谷翔平(当時日本ハム)は例外として、元巨人の松井秀喜がルーキーイヤーに今の清宮と同じ70打席に達したのは2軍落ちを経た9月初旬。その時点の打率は1割7分6厘、打点は8である。侍ジャパンの主砲に成長した筒香嘉智(DeNA)は1年目は3試合出場で10打席にとどまり、2年目に計70打席に到達した時点の通算打率は2割1分。高校時代は怪物ともてはやされようとも、プロの投手から初対戦でぽんぽんとスタンドに運べるほど甘い世界ではないのだ。清宮の場合、開幕前に腹膜炎で入院し、一時は体重も大きく減らしていたことを考えれば、この時期に試合に出続けられたこと自体が驚異的ともいえる。

プロ初本塁打を放ち、大勢の報道陣に囲まれる清宮。その受け答えも新人離れしている=京セラドーム

さすがに疲れも気にかけていた栗山監督は「経験したことを頭を真っ白にして整理する状況をつくってあげたい」としてファームに送り出した。1年目の6月下旬にいったん降格した松井は8月下旬に再昇格すると、9月以降は32試合で8本塁打21打点と早くも開眼し、2年目には全試合に出場し打率2割9分4厘、20本塁打を放って4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。真っすぐに振り負けていると自覚し「いろいろな経験を生かしていく」と2軍施設の千葉・鎌ケ谷に向かった清宮も、降格後さっそく6試合で5本塁打と2軍ではレベルの違いを数字で示している。

チームは前評判を覆して首位に肉薄、上位争いに絡んでいる。しびれるようなペナントレース終盤となりそうな今季、この19歳がいつ、どんな姿で1軍に戻ってくるのか。そんな期待感を抱かせて「清宮劇場」の第1幕が閉じた。

(西堀卓司)

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