2018年8月14日(火)

G7、貿易巡り亀裂鮮明 財務相会議「米に懸念・失望」

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2018/6/3 21:08
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 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が2日(日本時間3日未明)閉幕した。カナダの財務相は、米国が発動した関税措置に6カ国が「全員一致の懸念や失望」を抱いたとする異例の議長声明を出し、G7会議内の亀裂が鮮明になった。中国やロシアと貿易や政治面での摩擦が激しさを増すなか、対抗軸となるべきG7の結束力に不安が高まっている。

記者会見するG7議長国カナダのモルノー財務相(2日、カナダ・ウィスラー)=共同

記者会見するG7議長国カナダのモルノー財務相(2日、カナダ・ウィスラー)=共同

 議長声明は「米国の一方的措置がもたらす負の影響について多くの指摘がなされた」と米国を名指しで批判した。前日にはフランスのルメール経済・財務相がG7を「G6+1」と表現。カナダのモルノー財務相は「意見が割れているとの見解は一致している」とし、G7の内部が対立に陥ったことを認めた。

 米国は貿易赤字額が最大の中国だけでなく、味方であるはずの西側先進国も軒並み貿易戦争の敵に回す。トランプ大統領はG7会議の終了直後、「貿易戦争に負けない。賢くなるときだ!」とツイッターに書き込んだ。

 G7内部からわき出す不協和音は、G7の構成国でない中国やロシアにとって好都合だ。中国やロシアの経済メディアは、G7会議の結果や要人の発言を相次いで速報。「トランプ関税は同盟国への『謀反』」といった記事が目立った。

 G7各国は中国に対し、市場開放や知的財産の保護といった問題で協調して向き合う必要がある。だが日米欧の亀裂が深まれば中国への圧力は弱まり、中国にとっては都合がいい。

 対ロシアで欧米はウクライナ侵攻などを巡る制裁で足並みをそろえてきた。だが、G7の結束が崩れれば、中東も含めて影響力の拡大を進めるロシアにも追い風になる。

 日本は悩ましい立場に立たされる。北朝鮮の非核化や日本人拉致問題の解決、アジアで覇権を強める中国への対抗のためには米国との連携が必要で、関係に亀裂が入る事態は避けたいところだ。

 いまの多国間の国際秩序は米国が主導して戦後から築いてきたものだが、その米国が率先して秩序を壊し始めた。G7の結束力の崩壊は、米抜きで残された6カ国に中ロへの対峙の仕方で難しい課題を突き付ける。

 G7財務相会議は今回、共同声明の採択を見送らざるをえなかった。8日に始まる主要国首脳会議(シャルルボワ・サミット)に議論を引き継ぐが、波乱は必至だ。カナダは「関税発動は全く受け入れられない」(トルドー首相)と厳しく、日本の安倍晋三首相も米国の貿易政策に「理解しがたい」と不満を強める。

 6カ国の強硬姿勢を前に「トランプ氏はG7に見切りをつけてサミットをボイコットするのでは」(国際通商筋)との観測まで浮上する。米政府高官は「中国とロシアが参加しないG7がどこまで有効か、トランプ氏は見極めようとしている」と明かす。西側同盟国の結束の舞台だったG7の基盤が大きく揺らいでいる。(ワシントン支局長 菅野幹雄、ウィスラー〈カナダ西部〉=河浪武史、八十島綾平)

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