ピカソ「泣く女」に10億円 国内競売では異例の高値

20世紀美術の巨匠、パブロ・ピカソ(1881~1973年)の油彩「泣く女」(39年)が2日、東京都渋谷区で競売に掛けられ、10億円という異例の高値で落札された。主催したアイアートは「国内を本拠地とする競売会社が行った競売では史上最高額」としている。
今回出品された作品は、愛人だった写真家ドラ・マールをモデルとする連作の1点。縦55センチ、横38センチで、顔が大胆にデフォルメされ、頬を涙が伝う。落札者は明らかにされていない。
ナチスドイツによるスペイン北部、ゲルニカへの空爆に触発されて、ピカソが描いた代表作「ゲルニカ」(37年)にも、泣き叫ぶ女性が描かれており、その延長上に位置付けられる。
連作の中では、英国の「テート」の収蔵品が有名。
ピカソの絵画では「アルジェの女たち」が2015年に約1億7900万ドル(当時のレートで約215億円)で落札された。〔共同〕