ペトロブラス、CEOが辞職 ストの混乱受け

2018/6/2 7:26
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【サンパウロ=外山尚之】ブラジル国営石油会社ペトロブラスは1日、ペドロ・パレンチ最高経営責任者(CEO)が辞職すると発表した。パレンチ氏はテメル大統領に近く、トラック運転手のストライキで経済が混乱したことへの責任をとらされた形となる。同社の株価はスト発生前から約36%下落しており、市場では政治リスクが改めて意識されている。

1月、スイスで開かれたダボス会議に出席するペトロブラスのパレンチCEO(当時)=ロイター

パレンチ氏は声明で「さらなる議論が必要だが、私が職にとどまることはもはや前向きではない」と辞職を表明した。

中央銀行出身で鉱業・エネルギー相や米国企業の現地法人社長を歴任したパレンチ氏は2016年5月、政界汚職による混乱状態からの再建を託される形でテメル大統領代行(当時)に指名された。資産売却や開発投資の再開などで投資家からの評価は高かったが、任期を残して職を去ることとなった。

21日に始まったトラック運転手によるストは昨年7月にペトロブラスが国際原油相場にあわせて燃料価格を変動させるしくみを導入したことがきっかけ。イラン制裁やベネズエラ情勢を受けた原油価格の上昇に伴う燃料費の高騰で、怒りの矛先がペトロブラスと政府に向かった。30日にはこれに便乗する形でペトロブラスの一部従業員が経営陣の交代などを求め時限ストに突入するなど、政治色が濃くなっていた。

地元メディアはストを受け、テメル政権とパレンチ氏の確執が深まっていたと伝える。有力紙フォリャ・ジ・サンパウロは関係者の話として、国際原油価格で決まるべきだとの原則論を主張するパレンチ氏に対し、テメル政権が国民からの批判をそらすためにペトロブラスへ介入していたと伝える。ストが拡大するなか、政権は混乱収拾のため燃料費の値下げや減税を導入した。

今回の騒動を受け、市場ではペトロブラスの政治リスクが改めて意識された。同社はかつて政界汚職の舞台となり、与野党問わず数多くの議員がペトロブラスの汚職に関与していたことが発覚している。パレンチ体制ではこうした過去の負の遺産を一掃し、企業価値の最大化をめざしていた。1日の株式市場では辞職が嫌気され、ペトロブラスの株価は前日比15%近い暴落となった。

テメル氏は1日夜、ペトロブラスへの介入はなかったと主張。併せてイバン・モンテイロ最高財務責任者(CFO)がパレンチ氏の後任に就くと発表した。

10月の大統領選でもペトロブラスの民営化は主要争点の1つとなっており、今後も同社の経営が政治に左右される状況が続きそうだ。

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