トランプ氏「雇用統計楽しみ」 発表前投稿に市場反応

2018/6/2 5:17
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【ニューヨーク=大塚節雄】「8時30分の雇用の数字が楽しみだ」。トランプ米大統領が1日朝、5月の米雇用統計が発表される1時間以上前にツイッターにこんな投稿を流し、騒ぎとなった。市場が「強い内容を示唆した」との思惑から反応し、発表前に米長期金利が上昇し、円が売られる場面があった。事前に重要情報の内容をにおわせるような異例の投稿に、批判も出ている。

雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の判断を左右する重要統計として市場の注目度が高く、株価や為替相場が大きく動くことも多い。大統領は重要統計の内容を事前に知りうる立場にあり、今回もトランプ氏は前日に数字を把握していた。

トランプ氏の投稿は午前7時21分。その1時間あまり後に米労働省が発表した実際の統計では、非農業部門の雇用者数が前月比22万3000人増と市場予想を上回り、失業率は3.8%と18年1カ月ぶりの低い水準を記録した。

ツイート直後、市場では米長期金利の指標である10年物国債利回りにじりじりと上昇圧力がかかった。対ドルの円相場は1ドル=109円20銭前後で推移していたが、ツイート後に円売り・ドル買いが優勢になり、発表直前に109円40銭程度に下落。発表直後には109円60銭程度に下げた。

政権は、具体的な内容は示されていないとして問題はないという立場だ。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は米経済テレビに対し、自らが前日午後にトランプ氏に内容を報告したと明かし、「彼が何かを漏らしたとは思わない。法や慣習には従っている」との見解を示した。

これに対し、サマーズ元財務長官はツイッターで「(自らが要職を務めた)クリントン政権やオバマ政権なら大きなスキャンダルになり、あらゆる調査の対象になったはずだ」と指摘。オバマ政権で米大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を務めたジェイソン・ファーマン氏も「もしこの投稿が内部情報を伝えるものだとしたら、もう2度と事前に情報を得ないべきだ」と批判した。

ツイッターを多用し、直接の情報発信を好むトランプ氏。公表前の重要情報の管理のあり方に、問題を投げかけたといえそうだ。

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