2019年6月20日(木)

食にかける成長戦略 阪神梅田本店が新装開業

2018/6/1 20:21
保存
共有
印刷
その他

阪急阪神百貨店は1日、建て替え中だった阪神梅田本店を新装開業した。名物の立ち食いコーナー「スナックパーク」を3年ぶりに復活したほか、パンやワイン店を百貨店には珍しい1階に配置した。食中心の新たな店作りで、関西随一の商業の激戦区、大阪・梅田で集客戦争に挑む。

新装オープンした阪神梅田本店の立ち食いコーナー「スナックパーク」(1日、大阪市北区)

「ずっと待っていたんですよ。今のオシャレになってしまった梅田にはないレトロな雰囲気が好きです」。大阪市内に住む中山俊夫さん(62)はスナックパークで名物のいか焼きを食べながら語る。スナックパークにはいか焼きのほか、たこ焼き、ラーメン、すしなど13店舗が並ぶ。立ち食いスペースで500円ランチや、夜のサク飲みが楽しめるのが特長だ。

改装を契機に婦人雑貨売り場だった1階部分にも、食を広げた。毎日異なる商品が登場する「パンマルシェ」や、400種類のワインを試飲できる「ワインマルシェ」を配置した。阪神梅田本店の松下直昭ゼネラルマネージャーは「1階に阪神の新たな食の顔を作る」と意気込む。

阪神梅田本店が食にこだわるのは、立地が影響している。向かいには西日本最大の売り上げを誇る阪急うめだ本店がそびえ立ち、JR大阪駅方面には大丸梅田店、商業施設のルクア大阪など有力店舗がひしめく。阪急うめだ本店は高級アパレルの品ぞろえが豊富なほか、ルクア大阪は10階のレストランフロアに36店舗も店を構える。同じような店作りをしても、対抗できない。

阪神梅田本店がこだわったのは、食でも大衆性へのアピールだ。スナックパークはその象徴で立ち食いコーナーを復活させる代わりに、上層階のレストランフロアを廃止した。地下1階の食料品売り場も、スーパー並みの安さで魚や肉、野菜など生鮮品を多く取り扱っている。総菜品や菓子が豊富な印象の大丸梅田店と一線を画す売り場のように映る。

さらに7階には料理を実演するライブキッチンを新設した。食を用いて途中のフロアにも集客する仕掛けだ。実演を見ていた田口順子さん(78)は「こういうイベントがあると楽しく、毎日来たくなる」と語った。

通常の百貨店は食料品の売上高比率は2~3割だ。だが、阪神梅田本店は約45%と高い。将来は「50%まで引き上げたい」(松下氏)。

阪神梅田本店は2015年から建て替えが始まり、すべて工事が終了するの21年秋。持ち株会社のエイチ・ツー・オーリテイリングは今期、阪神梅田本店の売上高を売り場面積縮小で前期比26%減の410億円と計画。売上高は大阪市内の百貨店で6番目が見込まれる。食中心の新店舗でどこまで挽回できるか、注目される。(荒尾智洋)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報