2018年8月14日(火)

EU、米国をWTO提訴 鉄鋼・アルミ輸入制限に対抗

トランプ政権
ヨーロッパ
2018/6/1 19:21 (2018/6/2 0:52更新)
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 【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は1日、トランプ米政権が発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限への対抗措置として、世界貿易機関(WTO)での米国を相手取った紛争処理手続きに入ったと発表した。米国に報復関税を課す手続きも本格化させた。

ベルギーの製鉄所=ロイター

ベルギーの製鉄所=ロイター

 EUの通商政策を担うマルムストローム欧州委員は1日、米国の輸入制限は「明らかなWTOルール違反だ」と強調。WTOへ紛争解決に向けた協議を要請し、提訴の手続きに着手したと表明した。

 同時に、中国による欧州企業の知的財産権の侵害についても、WTOでの紛争処理手続きを開始したと発表。米中双方へのWTO提訴を同時に進めるのは、「国際ルールに基づく貿易システムを守る」姿勢を強調するためだと説明した。

 一方、米国は輸入制限を安全保障上の脅威に対応するためだと主張し、米独自の通商法に基づいて発動した。WTOルールでも安保を理由とした輸入制限を認める条項があり、WTOルールに反していないとの立場だ。

 トランプ大統領はWTOの最高裁判事にあたる上級委員の選定を阻止している。WTOの紛争処理機能は不全状態に陥っており、手続きが円滑に進むのか懸念が大きい。

 EUは20日にも、米国に約28億ユーロ(約3500億円)の報復関税も課す方針だ。同措置も自国産業を保護する高関税への対抗策としてWTOルールが認めている。安保目的を主張する米国に適用できるのかは不透明な面もあり、今後の争点となる可能性がある。

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