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「オールスター」のサッカー日本に勝算は見えぬ
サッカージャーナリスト 大住良之

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2018/6/2 6:30
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5月31日、サッカー日本代表の西野朗監督はワールドカップに出場する23人のメンバーを発表した。MF本田圭佑、香川真司、FW岡崎慎司ら過去に実績のある選手を選ぶ一方、前日のガーナ戦に招集された27人のメンバーのうち、けがで辞退したMF青山敏弘以外にも、三竿健斗、井手口陽介、FW浅野拓磨の若手3人を「選外」とした。23人の平均年齢は28.3歳。今回で出場6回となったワールドカップ日本代表で最も"高齢"となった。

もちろん、年齢自体は問題ではない。世界の多くが「H組最下位候補」とみている日本がワールドカップで勝つ(1次リーグ2位以内に入って上位に進出する)には「このメンバーで」と明確に見えるものなら、年齢などに意味はない。

過去の実績やパフォーマンスから?

だが私には今回の23人はただの「オールスター」にしかみえない。「過去」の実績やパフォーマンスから、日本のベストな23人を選んだようにしかみえないのだ。

ワールドカップに出場する23人を発表する西野監督

ワールドカップに出場する23人を発表する西野監督

私は、西野監督が「こういう試合をしたいから、こういう大会にしたいから、こういう選手が必要」とピックアップするのだと思っていた。しかし西野監督はまずベストな23人を選び、その顔ぶれからどういう戦いをするかを考えるようだ。

「代表チームというのは、ある程度自分が理想とするやりたいサッカーに選手を当てはめていく。1996年のアトランタ五輪のときにはそうした」

4月12日の就任記者会見時、西野監督はそう語った。しかしガーナ戦に向けた27人のメンバーを発表した5月18日の時点では、「まだ(6月19日のワールドカップ初戦の)コロンビア戦をどういう試合にするか、イメージが描けていない」と話した。

ワールドカップの戦いに対する明確なビジョンがないままに5月30日にガーナと対戦し、その時点でもビジョンを持たないまま最終的な23人のメンバーを選んだのは、下記のガーナ戦後の西野監督の言葉で明白だ。

「これからこの形(3バック)で戦うというわけではない。これまで(日本代表では)トライしたことがなかったので、対応力をつけるためにやってみた」

就任時の話とは裏腹に、まず実績のある選手がワールドカップでプレーできるコンディションにできるかどうかをチェックし、できそうだと予想(あくまで予想=期待)できるなら選び、そのうえで「絵を描く」という。まさに「オールスター」ではないか。

バヒド・ハリルホジッチ前監督はもう過去の話だが、彼にはワールドカップでやりたいサッカー、こうプレーしなければ勝利への道は開けないというサッカーが明確にあり、そうしたプレーを求め続けてきた。そのサッカーを実行できるコンディションでなければ、本田でも香川でも迷うことなく外し、実行できると判断すれば年齢や経験に関係なく使った。

西野監督は就任時に「日本のよさを生かしたサッカー」を語ったが、それがこれほどまでにビジョンに欠けた「オールスター」になるとは、想像もできなかった。

ガーナ戦は3月にベルギーで行った2試合(マリ戦、ウクライナ戦)と比較すると、選手たちの意欲ははるかに勝っていた。ワールドカップ2カ月前でのハリルホジッチ監督解任、西野監督就任という非常事態を経て、そしてワールドカップが目前に迫り、選手たちに「やらなければならない」という気持ちがみなぎってきたのは、十分感じられた。

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