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豊島逸夫の金のつぶやき

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戦友からの仕打ち、同盟国の憤り

2018/6/1 9:30
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「米国民に他意はない。いずれ常識が戻るだろう。しかし、今回の決定にその兆しはみられない」。「過去150年の歴史で、ノルマンディーからアフガニスタンまで戦いと死を共にしたではないか。そのカナダが、米国安全保障上の脅威とは信じがたい」。

トランプ政権の鉄鋼25%、アルミニウム10%の追加関税発動を受けて、カナダのトルドー首相は記者会見で苦渋に満ちて発言した。同じく、6月1日付で発動されたEUは、官僚的で憮然と事務的な報復関税を示唆する。

米国の中国からの鉄鋼・アルミ輸入量は僅かだが、EU・カナダは中国を凌ぐ貿易相手国だ。貿易戦争が、いよいよ実弾発射の交戦状態にエスカレートした印象を受ける。

米通商幹部は、中国で過剰生産される鉄鋼が第三国の製品を経由して米国内に輸入されているため、同盟国に対しても措置はやむえないと説明する。

中間選挙をにらんだトランプ大統領の一策ともみられるが、米国内の反応も複雑だ。鉄鋼やアルミの国内価格上昇による製造業のコストアップも、いよいよ無視できない状況だ。ピーナッツバターの価格に至るまで市民生活に影響を与える。

中間選挙で共和党不利の状況が、トランプ大統領の焦りを生み、保護主義が激化するという負の連鎖の影響は、世界の株価にも波及する。ダウ工業株30種平均はイタリアリスクの後退を受けて反騰していたが、31日は251ドル安と急反落した。

自動車に対する25%の課税案に関しては、特定の国名が挙がらず、同盟国側から憂慮の声が相次いだ。しかし、今回は、対象となる同盟国が特定されている。

日本側から見ると、これまで同盟国の中でなぜ日本が「追加関税適用除外国リスト」に入らないのか、との不満があったが、今回の追加関税発動はその状況も変えた。今後、G7の舞台などで、米国と同盟国と間の議論が白熱しそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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