2018年10月19日(金)

米、EUなどに鉄鋼関税発動へ 貿易摩擦激化の恐れ

2018/5/31 22:48 (2018/6/1 0:18更新)
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は31日、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を発動すると発表した。通商交渉で圧力をかけるため5月31日まで適用を一時的に猶予してきたが、譲歩を引き出せないと判断して猶予を打ち切る。EUなどは対抗措置を打ち出す構え。中国に加え、欧州とも貿易摩擦が激しくなるのは避けられない。

6月1日から鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を上乗せする。米国にとってEU、カナダ、メキシコは主な鉄鋼の輸入先で、輸入全体の4割を占める。国際市況に影響を及ぼすほか、鉄鋼メーカーや鉄鋼を使う自動車メーカーも事業戦略の見直しを迫られる。

EUとメキシコは31日、それぞれ対抗措置を取ると表明。EUの通商政策を担うマルムストローム欧州委員は報復関税に加え、世界貿易機関(WTO)の紛争処理手続きに入る方針を示した。

トランプ政権は3月23日、鉄鋼とアルミの輸入増が安全保障上の脅威になっているとの理由で日本や中国など一律に輸入制限を発動。EU、カナダ、メキシコには通商交渉での譲歩を求め、適用を猶予していた。

しかしEUは適用除外が先だとして、米国が求める車の関税引き下げ協議や鉄鋼の輸出規制の受け入れを拒否。カナダとメキシコと進める北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉も車貿易を巡って対立が続く。

米政権は5月23日、安保を理由に車の関税引き上げの検討にも入った。今後もEUと通商交渉を続ける構えだが、関税をかけ合って双方の経済に悪影響が及ぶ事態になる可能性がある。

日本政府は鉄鋼関税の適用除外を求めてきたが、米政権は交渉次第との姿勢を崩していない。日本は車関税の引き上げにも反対している。

トランプ政権は29日、中国の知的財産侵害に対する制裁関税を発動すると改めて表明。米中の貿易摩擦も再燃している。11月の中間選挙を控えて強硬姿勢に傾くトランプ政権の保護主義的な通商政策が、世界経済の足かせとなりそうだ。

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