2018年10月17日(水)

津波避難で犠牲、自治体の責任初確定 宮城県の小学校

2018/5/31 22:21
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東日本大震災で小学校に避難後、学校の判断で帰宅し、津波にのまれて死亡した宮城県東松島市立野蒜小3年の女子児童(当時9)の遺族が市に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は31日までに市側の上告を退ける決定をした。30日付。遺族への約2650万円の賠償を命じた一、二審判決が確定した。

津波からの避難を巡り犠牲者遺族が起こした訴訟で、自治体の賠償責任を認めた判決が最高裁で確定するのは初めてとみられる。

判決などによると、児童は2011年3月11日の地震発生後、小学校の体育館に避難。同級生の親が自宅に送り届けると申し出たため、学校は児童を引き渡した。児童は自宅に戻った後に津波に巻き込まれ死亡した。

訴訟では、学校側が同級生の親に児童を引き渡した判断の是非が争点となった。

二審・仙台高裁判決は「事前登録した責任者が引き取りに来るまで児童を学校で預かると決まっていた。学校での保護を継続すべき義務があった」と指摘し、校長の過失と児童の死亡との因果関係を認定。「校長は児童を帰宅させると、生命または身体に危険が及ぶ結果を予見できた」と結論づけた。

野蒜小を巡る訴訟では、児童の遺族とは別に、体育館に避難して死亡した住民女性(当時86)の遺族も上告。第2小法廷はこの上告についても30日付で退け、遺族側の敗訴とした一、二審判決が確定した。

同小は高さ約3.5メートルの津波に襲われ、体育館に避難した約340人のうち住民ら少なくとも18人が犠牲になったが、児童は全員無事だった。

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