しなの鉄道、軽量ステンレス車両に刷新へ

しなの鉄道(長野県上田市)は31日、老朽化している車両をJR東日本子会社の総合車両製作所(横浜市)製の軽量ステンレス車両「サスティナ」に更新すると発表した。2019~26年度に52両を導入し、現在の115系を順次置き換える。車両購入費と付帯設備費を合わせて事業費は約110億円を見込む。
サスティナは省エネルギー性や安全性に優れJR山手線などに導入されている。しなの鉄道が導入するのはJR上越線などで運行するE129系と同じ1両の長さが20メートルで3扉のS23シリーズ。
まず平日朝夕の通勤時に運行する有料ライナー用車両2両3編成を19年度に導入し、20年7月ごろから営業運転を始める。有料ライナーは15年3月まで小諸―長野間を運行していたのを復活させる。運行区間や料金は未定。ライナー時はクロスシートで運行し、昼間はロングシートに転換して普通列車に使う。週末は観光ライナーにする。
20年度以降はクロスシートとロングシートが混在する一般車両を23編成46両導入。車いす対応の洋式トイレを全編成に設け座席間隔も広げる。
事業費はしなの鉄道が3分の1負担するほか、国3分の1、県6分の1、沿線11市町6分の1の補助金を見込む。
当初は中古車両での置き換えを検討したが、32年間の累計費用を試算したところ、中古置き換えでは557億円かかるのに対し、新車両は使用電力量が半分になるなど253億円で済むという。