丸紅が電力小売りにAI活用 日立製作所が協力
丸紅は2018年5月30日、日立製作所の協力を得て、国内の電力小売り業において人工知能(AI)を使った市場分析モデルの導入を始めたと発表した。丸紅の子会社、丸紅新電力が5月から取引価格や電力需要の予測などに使っている。これまで人手に頼っていた統計的な解析を自動化し、業務の効率化やコスト削減を狙う。
気温や天候などの情報を基に電力需要を予測したり、取引価格の推移などから最適な価格を導き出したりする。これまでの統計的な手法と比べて、実測値に対する予測値の誤差率を平均で50%、最大で80%減らすことができたという。
日立が技術面で協力した。具体的には日立が提供するIoT基盤「Lumada(ルマーダ)」を活用して分析モデルを構築した。丸紅と日立は2017年8月から分析モデルの検討を進めていた。
経済産業省によると、電力の販売に占める新電力のシェアは、電力小売りが全面自由化した2016年4月時点で約5%だった。1年後の2017年5月には10%を超え、2018年1月時点で約12%となった。拡大する新電力の市場規模に伴って分析手法の高度化が課題となっていた。
(日経 xTECH/日経コンピュータ 増田圭祐)
[日経 xTECH 2018年5月30日掲載]