2018年6月23日(土)

「勤務インターバル」、10%以上に 過労死大綱改定案

社会
2018/5/31 10:00
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 厚生労働省は31日、過労死を防ぐため国が取るべき対策をまとめた「過労死等防止対策大綱」の改定案を示した。終業から次の始業まで一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」の導入企業の割合を、2020年までに10%以上とする数値目標を初めて設けた。職場で弱い立場にある若年労働者の過重労働の防止策を進めることも盛り込んだ。

 改定案は同日、労使双方の関係者や過労死の遺族らでつくる協議会で示され、了承された。労働者側の委員から多くの企業に同制度の周知を図ることや導入に向けマニュアル作成を求める意見などが出た。政府は7月にも閣議決定する。

 インターバル制度は欧州で普及しているが、厚労省が17年に全国約6400社に実施した調査で導入企業はわずか1.4%。4月の協議会でも具体的な数値目標の導入について意見が分かれた。過労死遺族らは、高水準の導入目標を要求。経営側は認知度が不十分なことや業種間で勤務形態に差があることから目標設定に慎重姿勢を示していた。

 今回の改定案は同制度の導入企業を、20年までに10%以上とする数値目標を初めて設定。人員が少なく、労務管理が難しい従業員30人未満の企業は対象外となる。10%の数値について、厚労省幹部は「様々な意見があるが、導入の機運を高めるためにも、まずは目標を掲げることに意味がある」と強調した。

 協議会の委員を務める「東京過労死を考える家族の会」の中原のり子代表は「目標が盛り込まれたのは過労死対策の上で大きな一歩。社会全体で普及してほしい」と話した。

 休息間隔の具体的な時間は定めていないが、欧州では「11時間」が基本で、この時間幅を参考とする。改定案にはインターバル制度に関する企業の認知度の数値目標も盛り込んだ。17年の調査では未導入の企業のうち、「制度を知らなかった」とする企業が約40%に上り、この割合を20年までに20%未満とする。

 電通やNHKの過労死問題などを受け、若年労働者への過重労働の防止策を推進することも記載し、時間外労働の削減やメンタルヘルス対策の充実を求めた。長時間労働防止のために、労働時間の把握を自己申告ではなく、ICカードなど客観的な記録に基づいて管理することも要請した。

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