2018年9月24日(月)

埼玉県の8高校、食の安全認証「GAP」挑戦

2018/5/30 23:00
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 埼玉県は農業の科目のある8つの県立高校で、農産物の安全性に関する農業生産工程管理(GAP)を導入する。GAPで定めた記録や点検で野菜や畜産物を育て、2020年東京五輪で食材提供することを目指す。農業高校ではGAPの国際規格の認証取得も目指す。経営感覚や国際感覚を持つ農業人材を送り出す狙いだ。

輸出などを見据えた安全性の高い生産工程管理を生徒に学んでもらう(熊谷農業高校)

 2018年度の新規事業「高校生の『農力』育成強化プロジェクト」として行う。対象は、熊谷農業(熊谷市)、杉戸農業(杉戸町)、秩父農工科学(秩父市)、児玉白楊(本庄市)、羽生実業(羽生市)、鳩ケ谷(川口市)、いずみ(さいたま市)、川越総合(川越市)。

 8校は県が独自に定めた規格「S―GAP」の取得に取り組む。「圃場や作業場をきれいに保っているか」「農薬が水田から流出しないように努めているか」など約50項目の管理ルールがあり、各校で対象とする作物を決め、生産や栽培を工夫する。各校は18~19年度に実施予定だ。

 県は担当者が農場を訪れ、実施状況を評価する「S―GAP実践農場2020」制度を設けている。同制度の基準を満たすと、東京五輪の調達基準にも適合できる。東京五輪で各校が育てた農産物を提供できれば、県産農産物の海外販売にも期待が広がると見込む。

 熊谷農業と杉戸農業ではS―GAPだけでなく、国際規格「グローバルGAP」の認証取得も目指す。例えば、杉戸農業はコメとナシで取り組む。県は18年度予算に1億4900万円を盛り込み、両校に温室や堆肥舎を整備し、農業設備を拡充する。県によると、国内の高校でグローバルGAPを取得しているのは青森や北海道など8校のみ。県は「世界標準の規格を学べる環境を整える」(教育局)と説明する。

 農業科目のある高校を卒業しても、農業法人などで就農する若者は少ない。17年度の卒業者では、約1140人のうち、農家や農業法人への新規就農者は3人どまり。農業以外の道に進む生徒も多い。県は高校で国際水準の農業を経験してもらうことで、就農に前向きな生徒を増やす効果を期待している。

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