2018年8月18日(土)

棚田の景観、ガイド付きで味わって 長野県上田市
(信越巡って発見)

北関東・信越
2018/5/30 23:00
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 長野県上田市の市街地を見下ろす位置に広がる稲倉の棚田。川の両側に棚田が広がる全国でも珍しい形状をしており、日本の棚田百選にも選ばれた。棚田の壮観を観光資源として活用する地元住民や地域おこし協力隊らの取り組みが本格化している。目玉となるのは、4月に始まったオープンカーで棚田を巡る「棚田アドベンチャーガイド」だ。

オープンカータイプの軽トラックで棚田を回る

 「のしかかってくるような棚田の迫力がいいでしょう。こんなのは稲倉にしかありません」「さて、この盛り上がっているところはなんでしょう。実は、古墳なんです」「どうですこの芝桜、6000本植えてあります」

 オープンカータイプの4人乗り軽トラックに乗り込むと、運転手が棚田にまつわる豆知識を披露する。棚田と古墳が隣接する場所は全国でも数少ないという。

 車は人が走るほどの速度で農道を進み、心地よい風を全身で浴びる。時折降りて、ゆっくり鑑賞する時間もある。

 棚田は現役のものだけでも300枚程度あり、標高差は60メートルにもなる。広さは8ヘクタールほどだ。歩いて巡るのは骨が折れるが、車なら時間をかけずに回れる。

 ガイドを務める地域おこし協力隊の石井史郎さんは、数年前に東京から移住した際、棚田の風景に魅せられた。都会から来た人には絶好の観光スポットになると考え、地域住民と協力して稲倉の観光活性化をめざすNPO法人「まちもり」をつくった。

 軽トラに乗って棚田を巡るのは、まちもりの事業の第1段だ。1970年代に生産されたバモスホンダを中古で購入した。年代ものの車だが、窓や屋根がないため棚田の景観を乗りながら味わえる。

 広い棚田の撮影ポイントを効率よく回れるのも売りだ。上田市の町並みを一望できる場所にも連れて行ってもらえる。バモスホンダの購入費用90万円のうち20万円はクラウドファンディングや寄付で集めた。

 まちもりは、稲倉の棚田を管理する周辺住民らで構成される。高齢化などで田畑を放棄する人が増える中、「コメだけが収入源というわけにはいかない」(石井氏)ため、まちもりを設立して観光振興に本腰を入れ始めた。

 今後は活動の幅を広げ、棚田のそばにある公園を整備し観光に役立てることも進めていくという。棚田でキャンプをするイベントも開いた。

 ガイドツアーは11月まで。基本的には土日祝日だが、予約があれば平日でも催す。ツアーは1回20~30分程度で、定員は3人までとなっている。料金は1台6000円で、一部は棚田の保全費用に回される。冬季は休止するが、来春以降も続ける予定だ。

(北川開)

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