2019年8月25日(日)

バイエルのモンサント買収承認、農薬「ビッグ4」時代へ

2018/5/30 18:54
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独バイエルは29日、種子大手の米モンサントの買収について米司法省から条件付きで承認を得たと発表した。買収額は660億ドル(約7兆2000億円)にのぼり、世界最大の農薬・種子メーカーが誕生する。2年半にわたって続いた業界の巨大再編が区切りを迎え、グローバルに市場を席巻する「ビッグ4」の陣容が固まった。

買収手続きは2カ月以内に完了する見込み。2社の農薬・種子事業の17年度売上高を単純合算すると約260億ユーロ(3兆2500億円)となる。統合完了に向けた最大のハードルだった司法省から承認を獲得し、世界市場の寡占化で農薬の価格上昇などの懸念が取り沙汰されるほどの巨大企業が誕生することになる。

米国の司法省がバイエルに示した統合承認の条件は90億ドル相当の資産売却だ。バイエルはすでに化学大手の独BASFとの間で、昨年10月と今年4月に合計76億ユーロ(約9500億円)の事業売却で合意している。この事業譲渡で、BASFは世界の主要な種子市場に足がかりをつくり、売上高を22億ユーロ上積みする。

世界を股にかけた巨大再編の号砲を鳴らしたのは、米国のダウ・ケミカルとデュポンだ。2社の農業関連事業を統合した新会社「コルテヴァ」は、バイエルをモンサント買収に突き動かした。17年6月には中国化工集団(ケムチャイナ)が世界2位のスイス・シンジェンタをグループに取り込んだ。事業再編の玉突き現象でBASFが滑り込み、農薬・種子市場は4強時代に突入する。

日本企業の存在感は薄い。住友化学三井化学は、化学製品の川上から川下まで一手に取り扱う「総合化学」を貫く。巨大再編で特定分野に投資や研究開発を集中させる海外勢と真正面からぶつかっても勝ち目はない。

国内最大手の住友化学はバイエルやBASFと相次ぎ提携。「巨人」が世界中に張り巡らす販売網にのせて自社製剤を拡販する「コバンザメ戦法」をとる。新規製剤の開発力を保ち、事業規模は小粒でも有力なパートナーでいられるかどうかが日本企業が生き残るカギになる。

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