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15年産世代、頂点への戦い完結 3歳戦を回顧

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2018/6/1 6:30
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以前の当コラムでも触れたことがあるが、日本の競馬の1年はダービー翌週に始まり、ダービー当日で終わるといえる。ワグネリアンが優勝した第85回日本ダービー(東京優駿=5月27日、G1・芝2400メートル)で、2017~18年シーズン、すなわち15年産世代の頂点に向けた戦いは完結した。6月2日からは16年産世代のダービーに向けた戦いの18~19年シーズンが幕を開ける。今回は、終わったばかりの17~18年シーズンを回顧し、現3歳世代のレベルを点検してみる。

アーモンドアイ、最大の発見

第85回日本ダービーを制したワグネリアン(左端)=共同

第85回日本ダービーを制したワグネリアン(左端)=共同

15年産世代のデビュー前、注目されたのは新種牡馬産駒である。ロードカナロア、オルフェーヴル、へニーヒューズなどの初産駒が登場。ディープインパクトやキングカメハメハといった強固な既成勢力をどこまで脅かすかが関心を集めた。結果的に、17~18年シーズンの最大の収穫は、ロードカナロア産駒アーモンドアイ(母フサイチパンドラ、美浦・国枝栄厩舎)だろう。桜花賞はレースレコードの1分33秒1、オークスはレース史上2位の2分23秒8で二冠制覇。両レースとも上がり600メートル33秒2(推定)という驚異的な数字をたたき出した。桜花賞前は4戦無敗のオルフェーヴル産駒ラッキーライラック(栗東・松永幹夫厩舎)が牝馬路線の主役候補だったが、桜花賞で完全に交代。父ロードカナロアが現役時代、国内外の芝1200メートルでG1を5勝、芝1600メートルでも1勝という実績から、オークスでは2400メートルへの距離延長が課題だったが、難なく克服した。

桜花賞では出脚が遅く、17頭中16番手を進んだが、3~4コーナーであっという間に先行集団に取りつき、直線では前を行く各馬を強烈な末脚でのみ込んだ。クリストフ・ルメール騎手は最後まで一度もムチを使わず、馬は直線で何度も手前脚(軸足)を替えるなど、相当に余力を残した印象だった。当時の単勝人気は、アーモンドアイが3.9倍で17頭中2位、ラッキーライラックが1.8倍で断然の首位だった。桜花賞後に両馬の地位は逆転。オークスでは1.7倍対4.1倍と桜花賞時と比べてもアーモンドアイに軸が傾いた。結果は大方の予想通りだったが、レース内容は意外だった。アーモンドアイは桜花賞よりスムーズに発馬を決め、6番手の好位追走から直線で抜け出した。

2分23秒8は12年のジェンティルドンナ(2分23秒6)に続くレース史上2位。ただ、1200メートルの通過ラップは12年が71秒0に対して、今年は71秒8。上がり600メートルはジェンティルドンナが34秒2に対し、アーモンドアイは33秒2と1秒速い。こうした比較から、アーモンドアイは現時点でジェンティルドンナ級と評価できる。ジェンティルドンナはディープインパクトの供用2世代目の傑作だが、匹敵するレベルの馬をロードカナロアは初年度で送り出した形だ。ロードカナロアはキングカメハメハ産駒で、母系にサンデーサイレンスの血を持たず、サンデー系の血が飽和している日本では、貴重な存在。早い段階でスターを出したことは、交配相手の質の向上につながり、種牡馬としての将来も明るくなる。今後は生産界でもロードカナロアと中長距離型の牝馬の配合でクラシックを狙う動きが加速しそうだ。

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