2018年8月14日(火)

ガソリン、迫る天井感 3年半ぶり150円突破

環境エネ・素材
2018/5/30 15:00
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 ガソリン価格が3年半ぶりに1リットル150円台の大台に乗せた。4月以降の原油高騰を受け、石油元売り会社の調達コストが膨らみ、小売価格への転嫁が続いている。石油製品の値上がりが続き、消費者や物流業者の負担は増している。足元の原油が下落している上、「150円」が高値の限界として意識され始めており、上昇の勢いは鈍りそうだ。

ガソリン店頭価格は3年半ぶりの150円台を付けた(30日、都内給油所)

 資源エネルギー庁が30日に発表した28日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は前週から1.9円値上がりし、1リットル151円だった。6週連続で上昇し2014年12月以来となる水準だ。原油相場が底値にあった前年同期に比べ1リットル19円(15%)高くなった。

 ガソリン高の主因は原油相場の上昇だ。世界的な需給引き締まりに加え、中東情勢の緊迫が意識され、ニューヨーク原油先物は7日に3年5カ月ぶりとなる1バレル70ドル台をつけた。原油の調達コストが増加した石油元売り各社は4月下旬から卸値の引き上げを実施しており、小売価格への転嫁が進んだ形だ。

 152円の店頭価格を掲げる都内給油所で給油していた40代主婦は「いつも同じスタンドで入れている。この1カ月で急に高くなった」と話す。カードによる値引きや満タンにしないなど節約しているが限界だという。

 軽油価格も上昇が続いている。28日時点ではガソリン同様に3年半ぶりの高値だ。経費の3割を燃料代が占める輸送業にとって影響は必至だ。石山運送(東京・足立)の石山謙二専務は「特に夏場はエアコンを使うため、燃料代がかさむ」とコスト高に悩む。

 ガソリン高は売り手である給油所にとっても、手放しでは喜べない。消費者の買い控えやエコカーの普及が重荷になり「前年割れが1年以上も続いている」(埼玉県の給油所)との声が多く聞かれる。石油連盟(東京・千代田)によると4月から直近までのガソリンの出荷量は前年を6%下回る水準だ。

 4月から直近までの卸値引き上げはガソリンで累積1リットル12円程度。一方で店頭での値上げ分は同時期に8円弱と依然、転嫁が追いついていない。千葉県の給油所店長は「4月に比べ周辺の値上げペースは明らかに鈍った。卸値上げ8円に対して6円しか回収できていない」とこぼす。通常、ガソリン高が続くと価格を下げて量販を狙う動きが出やすいが、昨年の業界再編の影響で給油所間の価格競争は下火だ。「下げたいけど下げられないジレンマがある」(同)

 産油国の増産示唆を受け、足元の原油相場は下落基調にある。一部の石油元売り会社は30日、ガソリンの卸値を1リットル1円引き下げると系列の給油所に通知した。ただ、コストを回収し切れていない給油所も多く、石油情報センターは「来週は小幅に値上がりするだろう」と予想する。

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