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伊政治混迷、市場揺らす 日経平均一時2万2000円割れ

【ニューヨーク=宮本岳則、ロンドン=篠崎健太】イタリア政局の混迷が世界の金融市場を揺らし始めた。組閣を巡るポピュリズム(大衆迎合主義)政党と大統領の対立が激化し、早期再選挙の可能性が高まったとの見方から伊国債利回りが急騰、外国為替市場ではユーロ安が進んだ。世界の投資家は株式などリスク資産への資金配分を減らす必要に迫られ、米ダウ工業株30種平均は一時500ドル超の下落と5月に入って最大の下げ幅を記録した。日経平均株価も約1カ月半ぶりに2万2000円を一時割り込んだ。

マッタレッラ大統領は28日、国際通貨基金(IMF)元高官のカルロ・コッタレッリ氏を首相候補に指名して組閣を命じた。だがポピュリズム政党「五つ星運動」と極右「同盟」は実務者内閣を拒否して議会で信任しない構えを見せており、早期再選挙の観測が強まっている。

市場では再選挙で反欧州連合(EU)を掲げるポピュリズム政党の勢いが一段と増すとの見方が強い。イタリアがユーロから離脱しかねないとの懸念も高まり、ユーロ売りが膨らんだ。

29日の欧州市場でユーロは対ドルで続落し、一時1ユーロ=1.1510ドルと約10カ月ぶりの安値を記録した。対円でも一時1ユーロ=124円62銭と、約11カ月ぶりのユーロ安・円高水準を付けた。「伊の混迷で欧州中央銀行(ECB)による金融政策の『出口戦略』が遅れる」(米運用会社ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのチャド・モーガンランダー氏)との読みも、ユーロ安を加速させた。

政治の先行き不透明感から伊国債は売られ、伊10年物国債利回りは29日、一時3.4%近辺と約4年2カ月ぶりの高さになった。株式市場では伊最大手銀ウニクレディトなど国債を多く持つ銀行株が急落した。米調査会社ディシジョン・エコノミクスのアレン・サイナイ氏は「イタリア発の金融システム不安を市場がリスクとして意識し始めた」と指摘する。

投資家は先行き不透明感からリスクをとりづらくなっている。米株式市場ではダウ平均が3営業日続落し、前週末に比べて391ドル64セント(1.6%)安い2万4361ドル45セントで取引を終えた。一方、米長期金利の指標である10年物国債利回りは2.78%と7週間ぶりの低水準を付けた。「投資家がリスク回避から安全資産を求める『質への逃避』が進んだ」(金融サービス会社ジョーンズトレーディングのマイケル・オルーク氏)。

30日の東京株式市場でも日経平均株価が大幅続落した。前日からの下げ幅は一時420円を超え、およそ1カ月半ぶりに心理的な節目である2万2000円を割る場面があった。リスク回避の動きが日本株にも波及し、東証1部の約9割の銘柄が下落している。

円高・ユーロ安を背景に欧州での売上高比率の高い銘柄に売りが出た。日産自動車コニカミノルタが下落した。アイルランド同業と買収で合意した武田薬品工業は年初来安値を付けた。

午前の日経平均終値は前日比400円42銭(1.79%)安の2万1958円01銭だった。

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