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今日も走ろう(鏑木毅)

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自然と一体 トレイルランニングの醍醐味

2018/5/31 6:30
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新年度が始まって約2カ月がたち、新しい環境にも慣れてきたころだろうか。ランニングするには少々日差しが強くなってきたが、山あいは新緑の美しい時期だ。ランニングを日課としていても、たまには野山でトレイルランニングを楽しんではどうだろうか。

一般にトレイルランニングはアップダウンがつらいスポーツととらえられている。ランニングと名付けられているため徹頭徹尾走るものと思われがちだ。基本は歩きで、心地よく走れそうな足場の良い緩やかな下りだけゆっくりと走る、と思ってもらえば実は難しくない。

能登の里山を駆けると自然そのものが宝物だと感じる

能登の里山を駆けると自然そのものが宝物だと感じる

視界を通り過ぎる景色の速さを味わいながら五感で山の息吹を受け、自然と一体となり、全身で森の発する「気」の中に身を置く心地良さ。トレイルランニングの醍醐味はそこに尽きる。それらはアウトドアスポーツならではともいえる。

最近よく言われているように、ランニング自体が脳を統括する前頭前野の血流を高め、ストレス解消だけでなく発想力や思考力をも高めるそうだ。トレイルランニングはさらに山という都会と隔絶された異空間が舞台でもあるから、その効果は計り知れない。私自身も仕事上の豊かな発想が生まれたり、大きな決断をする時はいつも山を駆けている。

さてこのスポーツを楽しむために心に留めるべきこともある。

まずは標高の低い里山などのルートを選ぼう。頂上にたどり着くのが目的の登山と違い、トレイルランでは足場が悪い場所や危険箇所があるルートは避け、アップダウンが少なく、心を癒やすような雰囲気のいい森のルートを選ぼう。そんな山道探しも楽しみの一つだ。

そして走る距離ではなく時間でそのボリュームを測ろう。街中の10キロメートルと山間での10キロメートルではまったく疲労の度合いが違うため、距離だけで考えていては危険だ。ペース感覚を知ることも大切になる。心拍数でいえば最大心拍数の80%程度、会話ができるぐらいがちょうどいい。

行程の上りの高さを足した累積標高差はポピュラーな指標ではあるが、初心者は500メートルから1000メートルくらいにとどめるとよい。GPSウオッチなど多機能を備えたものであれば標高差なども簡単にわかる。そして食料、水分、雨具、ライトなど登山同様の装備品を携える必要があるし、途中でハイカーに出会ったら歩きに変えて挨拶するなど山のマナーも守ろう。

トレイルランニングを長続きさせる秘訣はトレーニングすると考えるより、楽しむ気持ちを大切にすることだ。美しい景色に出合ったら、記念の一枚を撮ったり、切り株に腰を下ろしクッキーやナッツ、果物を食べてピクニック気分を楽しんでも良いだろう。街中のランニングではロスタイムと感じるような時間でさえもむしろ心に残る思い出となる。さあ近くの山でトレイルランニングを始めてみませんか。

(プロトレイルランナー 鏑木毅)

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