2018年9月22日(土)

イスラエル軍、ガザの過激派拠点を空爆 衝突拡大の懸念

2018/5/30 9:30
保存
共有
印刷
その他

 【テルアビブ=飛田雅則】パレスチナ自治区ガザで、イスラエル軍と過激派組織の緊張が高まっている。ガザから複数の迫撃砲弾などが発射されたとして、イスラエル軍は29日、過激派の拠点を空爆するなど報復攻撃に踏み切った。過激派はイランの支援を受けているとされる。事態収拾の兆しは見えておらず、衝突が拡大する懸念が高まっている。

イスラエル軍の報復攻撃を受け、パレスチナ自治区ガザから黒煙が上がる(5月29日)=AP

 イスラエルのメディアは29日朝方から30発以上のロケット弾や迫撃砲弾がガザからイスラエルに向けて発射されたと報じた。イスラエル軍の対空防衛システム「アイアンドーム」によって大半が迎撃されたが、南部の幼稚園近くに着弾し、壁が破壊された。負傷者も出たもようだ。

 ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとガザを拠点とする過激派組織「イスラム聖戦」は共同声明を出し、攻撃への関与を認めた。

 イスラエルのネタニヤフ首相は「報復として激しい攻撃を実施する」と宣言。同国軍は29日、イスラム聖戦やハマスの拠点を対象に、30カ所以上を空爆したと発表した。空爆で死傷者が出たかは明らかになっていないが、イスラム聖戦の報道担当者は「ガザの住民に流れた血は決して安くはない」と敵対意識をあらわにした。

 ガザとの境界に近いイスラエル南部では29日夜もロケット弾などの飛来を警告するサイレンが鳴り響いた。スデロットなどの都市では厳戒態勢が続いている。イスラエルのカッツ運輸・道路安全相兼情報活動相は同軍のラジオで「ガザからの攻撃が終わらなければ、イスラエルは反撃を強めざるを得ず、状況は悪化することになる」と語った。

 イスラエルでは2014年夏にハマスとの間で勃発した大規模な戦闘以降で「最悪の応酬」と報じられている。衝突のきっかけとなったのは数日前にイスラエル軍がガザとの境界付近で爆発物を見つけ、イスラム聖戦の戦闘員3人を殺害したことだ。イスラム聖戦は報復すると警告していた。

 イスラム聖戦はハマスとライバル関係にあるが、いずれの組織も反イスラエルを掲げてイランから支援を受けているとされる。今回の迫撃砲弾などによる攻撃もイランの関与が疑われている。

 ガザとの境界付近では、3月末から反イスラエルを訴える抗議行動が続いている。米大使館がエルサレムに移転した5月14日には参加者は4万人に拡大。イスラエル軍が境界を乗り越えようとしたデモ隊に銃撃などを加え、約60人が死亡した。当面はデモが続く見通しで、激しい衝突に発展する懸念が出ている。

 5月に入って北部ではシリアに展開するイランの革命防衛隊によるロケット弾攻撃を受け、イスラエル軍は空爆で反撃した。国境付近にはイランの支援を受けるイスラム教シーア派武装組織ヒズボラなどの戦闘員が配置されている。

 イスラエルは国土の南北で、イランの影響下にある武装勢力との間で緊張が高まっている。大規模な軍事衝突に発展すれば、中東の一段の混乱につながる恐れがある。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報