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安打は投手の責任か 防御率では測れぬ能力
野球データアナリスト 岡田友輔

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2018/6/3 6:30
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守備、打撃に続き、今回は統計学に基づいた「セイバーメトリクス」を使った投手の評価手法を紹介したい。先発に絞ると、まずは勝利数と防御率が思い浮かぶ。タイトル争いも注目度が高い。しかし、この2部門で投手の能力は十分に測れているだろうか。

勝ち星が巡り合わせや運に左右されることを否定する人はいないだろう。5回5失点でも打線の手厚い援護があれば勝ちがつくし、9回1失点でも完封されれば負け投手になる。好投すれば勝てる確率が上がるのは間違いないが、味方打線や相手先発の出来、救援陣の踏ん張りなど本人以外の要素も非常に大きい。

楽天・則本は17年、奪三振の能力が際立っていた=共同

楽天・則本は17年、奪三振の能力が際立っていた=共同

大リーグ、防御率で評価せず

それに比べると、失策などを除いた「自責点」に基づいて算出する防御率は投手の実力をより正確に反映しているようにみえる。しかし、現実はそうでもない。広い球場ならフェンス手前で捕られる大飛球が、狭い球場ではフェンス直撃の長打になったり、スタンドに飛び込んだりする。鋭い当たりやボテボテのゴロが安打になるかアウトになるかもバックの守備力が大きい。米大リーグのように打者の傾向に応じて極端なシフトを敷く場合は、安打性の当たりの方が野手の正面に飛ぶことも多い。走者を残して降板した場合、救援が抑えれば自責点にはならないが、生還させれば自責点になる。

著名なセイバー分析家のトム・タンゴ氏らによる計測では、特定の打球がどういう結果になるかを決める要因の内訳は「運44%、投手28%、守備17%、球場11%」という。実際、日本の12球団でトップとワーストの守備力をもつチームをバックに投げた場合、同じ投手でも防御率にシーズン平均で0.4~0.7程度の差が生まれる。突き詰めて考えると、防御率は投手の何を示しているのかが判然とせず、いまや大リーグでは「防御率では投手を評価できない」というのが常識になっている。契約を更新するうえでの根拠には使われていないし、コアなファンからももはや重視されていない。

そこでセイバーの登場となる。その最大の特徴は「野手が介在しないプレーのみを投手の責任範囲として定義する」という点だ。具体的には奪三振、四死球、本塁打。一方、ツキなどが絡む安打や失点は「投手がコントロールできないもの」として分類する。よって「6回3失点」を基準とするクオリティースタートや、1イニング当たりに出した走者の数を示す「WHIP」といった考え方はセイバーとは関係がない。

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