2018年6月23日(土)

スミダ株インサイダー疑い 元社外取締役を逮捕

社会
2018/5/29 14:15 (2018/5/29 16:21更新)
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 車載用のコイル製造などを手掛けるスミダコーポレーションの未公表の内部情報をもとに同社株を取引したとして、東京地検特捜部は29日、同社の元社外取締役、内田荘一郎容疑者(64)=東京都港区=を金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は同社の社外取締役だった2017年1月下旬ごろ、同社の16年12月期の配当金の予想に関する情報を入手。公表前に知人名義で複数回、同社株約8万株を約8800万円で買い付けた疑い。

 同社は17年2月6日に期末配当を従来予想の6円から16円に増配すると公表。株価は公表前に推移していた1100円弱から、増配の公表後は1200円台に上昇した。

 内田容疑者は1981年に自動車部品メーカーに入社。取締役や関連会社の社長を務めた後、14年にスミダ社の社外取締役に就任した。同社のリスクマネージメント委員も担当していたが、17年12月に「一身上の都合」を理由に辞任した。スミダ社は29日、「引き続き捜査に全面的に協力して参ります」などとするコメントを出した。

 スミダ社はコーポレートガバナンス(企業統治)の強化を掲げ、早くから社外取締役の活用を進めてきたことで知られる。スミダ社は内田容疑者の選任理由を「自動車部品業界に関する見識に基づく経営の監督とチェック機能を期待した」と説明していた。

 金融庁や東京証券取引所が2015年にまとめたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)は、上場会社に社外取締役を2人以上選任するよう求めた。17年には東証1部上場企業の約9割が複数の社外取締役を起用する。

 本来、社外取締役は独立した視点で経営陣を監視し、株主などのステークホルダー(利害関係者)を向いた経営を促す役割を持つ。取締役会に出席し、経営の重要議案にも触れるため、守秘義務はもとより順法精神を強く求められる。企業統治コンサルティングを手掛けるプロネッド(東京・港)の酒井功社長は「企業側は法令知識を研修するなどの取り組みが欠かせない」と指摘する。

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