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サプリメントの危険性 アスリートは肝に銘じて
編集委員 北川和徳

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2018/5/30 6:30
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1984年ロサンゼルス五輪は、日本のアスリートが初めてドーピング違反の疑いを持たれた大会でもある。競技はいずれもバレーボール男子。2選手にドーピング検査で陽性反応が出た。

まったく別々の案件で、1人は男性ホルモンの一種であるテストステロンの生成能力が通常より高いという特異体質による、まったくの「冤罪(えんざい)」だった。当時は検査、分析の技術も十分に確立されていなかったのだろう。

もう1人には風邪薬として禁止物質のエフェドリンが含まれた漢方薬をトレーナーが処方していた。選手ではなくトレーナーが処分を受けた。こちらは現在の世界反ドーピング機関(WADA)のルールでは、明らかなドーピング違反となる。選手も最長で2年間の資格停止となるはずだ。

ドーピング検査で陽性反応を示したことについて、記者会見する古賀=共同

ドーピング検査で陽性反応を示したことについて、記者会見する古賀=共同

日本の甘い認識、違反招く?

34年前のこの事例は、故意によるものではなく、選手が処罰されなかったこともあって、日本のスポーツ界でドーピング違反とは考えられていない。ただ、こうした甘い認識が、最近の日本のアスリートの意図的ではないドーピング違反の続発につながっていると思えてならない。

競泳男子の2016年リオデジャネイロ五輪代表、古賀淳也(30)が18年3月の抜き打ち検査でタンパク同化薬に分類される禁止薬物に陽性反応を示し、暫定的な資格停止処分となった。古賀は100メートル背泳ぎで09年の世界選手権金メダルを獲得した日本のトップスイマー。今夏のアジア大会(ジャカルタ)には50メートル背泳ぎの4連覇がかかっていたが、出場できなくなった。

古賀はもちろん意図的であることを否定。インターネットで購入して新たに服用した海外製サプリメントに禁止薬物が混入していたと主張している。検出された量は微量で競技力を上げる効果などなかっただろう。10年以上も国際大会でクリーンに活躍してきたベテラン。彼の主張は嘘ではないと思う。

だが、それが証明できても、2年近い長期の資格停止処分は免れない。すべてのアスリートは今回のケースを、自分の身にもいつ降りかかるかもしれないリスクとして真剣に受け止めるべきだ。

古賀は服用するサプリメントを選ぶ際、含まれる成分を確認するのはもちろん、専門家の助言も受けていた。だが、サプリメントは医薬品ではない。海外製サプリメントには時々、成分表に表示されない物質が混入した汚染サプリメントが存在する。

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