2019年6月25日(火)

国内投信本数、初の減少 1~3月期

2018/5/29 12:30
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増え続けていた日本の投資信託の本数が2018年1~3月期に減少した。四半期ベースではデータのある08年以降、減少は初めて。分配金を毎月出す投信が増えていたが、金融庁が長期の運用にそぐわないと批判。話題の投資テーマに沿った投信も販売しやすいとされたものの、投資家は目新しさより運用実績を重視するようになっている。投信の市場構造が変わりつつある。

ドイチェ・アセット・マネジメントの調べでは18年第1四半期に112本が新たに設定され、120本が償還された。投資信託協会によると国内の投信総数は4月末時点で6144本と、17年末より減少している。

最近は投信全体では資金の流入が続いているが、毎月分配型や、低金利で運用しにくくなっている債券型の投信の償還が目立つ。アセットマネジメントOneは3月に毎月分配型の債券投信を、大和住銀投信投資顧問も4月に高金利の債券で運用する投信を償還した。いずれも残高が小さく、運用会社が効率的に運営するのが難しいという。

株式などの相場が比較的に高値で安定していることも償還を後押ししている。JPモルガン・アセット・マネジメントが2月に償還した日本株投信は、基準価格が設定時の1万円に対して1万1000円を超えていた。元本割れした状態では強制的な償還に対し、証券会社など売り手側の金融機関に抵抗感があったようだ。

最近では個人投資家もインターネットなどでこれまでの運用の経緯を調べる人が増えている。ドイチェの藤原延介・資産運用研究所長は「これまでの成績や、相場が下落した時の対応などが重視され、新しい投信が減っている」という。

投信をめぐっては、金融庁が昨年から顧客本位の運営を求めている。資産を取り崩して分配金を出すことも多い毎月分配型に対しては、長期的に資産を増やすのに向かないと批判した。毎月分配型は4月に33億円の資金流入があったが、投信全体(527億円)の1割未満にとどまった。全盛期には半分以上を占めていた。

人工知能(AI)やインフラ整備など特定のテーマに関係する株式を組み込む投信も、販売しやすいため次々とつくられていた。ただ内容が似かよった投信が乱立したうえ、旬が短く短期の買い替えにつながっていると指摘されていた。直近では円以外の運用通貨を選ぶ複雑な仕組みの投信も減っている。

金融庁の昨年のまとめによると、公募投信の大半を占める株式投信では7割強が資産規模が50億円未満だった。投信は一定以上の規模がないとリスク分散の効果が働きにくいうえ、運用会社も報告書の作成などのコストを補えない。投信の淘汰が進むと、運用コストが抑えられ投資家のメリットにつながりそうだ。

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