名古屋城EV問題 溝埋まらず 市長、障害者らと面会

2018/5/28 21:15
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木造復元を目指す名古屋城天守閣のバリアフリー問題について、名古屋市の河村たかし市長は28日、障害者団体と会合を開いた。エレベーター以外の方法を検討している市長に対し、団体側は「具体的な手段がないと納得できない」と主張。議論は平行線をたどった。

エレベーターの設置について障害者団体と意見交換する名古屋市の河村たかし市長(右から2人目)=28日、名古屋市役所

同日、市が開いた「木造天守閣の昇降に関する意見交換」には、市内11団体の代表者ら18人が出席した。

意見交換では、市長と障害者らの隔たりが改めて浮き彫りになった。「新技術が開発できるというが、その根拠は何か」「技術が開発されてから名古屋城を木造復元すればよい」――。障害者団体の多くはこう主張し、エレベーターに代わる具体案を示せない市の現状に不満を募らせた。

一方、河村市長は「悪いけど明日すぐにできるとはならん」と強調。具体策になると「(エレベーター以外の方法に)挑戦するというロボットメーカーもある。心配しなくてもいい」と述べるにとどまった。

河村市長がエレベーターの設置を見送る方針を示しているのは「史実に忠実な復元」(同市長)を目指すため。この日も「梁(はり)や柱など基本的な構造を変えてしまったら復元にはならない」「(忠実な復元は)市長選で民意で決定されている」と語った。

市長は月内にも方針を正式に決める。障害者団体との協議も続ける考えだが、出席した「愛知県重度障害者の生活をよくする会」の佐々木克己会長代行は会談後、「(市長との溝は)全然埋まっていない」と述べた。6月にも大規模な抗議活動を予定しているという。

バリアフリーが専門の中央大の秋山哲男教授は「英国では障害者や建築家が議論し、歴史的な建造物にエレベーターを設置した例もある」と指摘。市の検討は不十分で「障害者を交え複数案からバリアフリー対策を決めるべきだ」と話す。

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