ドコモとファーウェイ、ミリ波使った5G中継実験

2018/5/28 20:00
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5G基地局から見た実験環境(出所:Huawei)

5G基地局から見た実験環境(出所:Huawei)

中国の華為技術(ファーウェイ)はNTTドコモとのIntegrated Access Backhaul(IAB)技術を使った5G試験の結果を2018年5月23日、公表した。横浜のみなとみらい21地区で行われたこの実験では、5G基地局と中継装置間を39GHz帯のミリ波を用いた無線バックホール機能で接続。中継装置とユーザー装置間のアクセスにも39GHz帯が使われている。中継装置とユーザー装置は、移動車両に設置する形で用意された。

実験では、IAB技術適用による、ミリ波のカバレッジと通信能力改善効果を確認。その結果、ユーザー端末が基地局の対応領域から外れた場合で、スループット650Mビット/秒、遅延時間1.6ミリ秒を記録したとしている。

従来、ミリ波信号は、減衰が大きく、建物などの陰に回り込まないといったその特徴から、限られたカバレッジでのみ使用可能だとされていた。見通しの悪い場所でのカバレッジを確保するには、高指向性ビームを形成する装置を導入するなどの対応が必要となる。

IABでは、メタマテリアルを使った小型の焦点レンズアンテナで最高31dBiのビームフォーミングを実現し、特定方向に電波を集中させ、長距離通信を行う。これにより無線バックホールと無線アクセスリンク(中継装置と端末間接続)の干渉を軽減しながら、同一周波数帯でのデータ通信が可能になる。加えて、上りリンク、下りリンクの高速ビームスイッチング機能により、低遅延でのデータ通信を実現。バックホールとアクセスリンクのスケジューリングを適切に行うことで、無線リソースを効率的に利用できるようになる。

今回の実験では、IAB技術を適用することで、高層ビルの谷間などでも高速、低遅延な5G通信を提供できることを確認したという。光ファイバーケーブルの設置が難しい孤島や山間部といった場所での通信環境改善にも役立つとし、3GPPでもこの技術の5G NR標準仕様化に向け検討中としている。

(テカナリエ 加藤樹子)

[日経 xTECH 2018年5月25日掲載]

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