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ヒットゾーンが鍵? 打者・大谷の攻略法(後編)
スポーツライター 丹羽政善

(2/3ページ)
2018/5/29 6:30
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ただし、そんな攻めの変化に伴って、大谷のヒットゾーンもまた、変化している。何度か触れているように4月29日までは内角低めだったが、4月30日から5月22日までのデータ(同)をみると、今度は外角に集中している。

そもそも外角への配球が増えたのだから、これも当然といえば当然だが、ヒットになっているのは相手が集中して攻めているところと極めて近い。おそらく凡打になっているゾーンよりも、ボール数個分上。

図らずもここで、リークの言葉が証明されている。

「ヒットゾーンの近くに、打ち取れるコースもある」

攻める側にしてみればもろ刃の剣。ちょっとしたコントロールミスが安打にもつながる。

とはいえ、もちろん攻めるのは外角低めだけではない。そこにいたる過程で、様々なせめぎ合いがある。3月終わり、開幕戦で打者・大谷を一番近いところから見たアスレチックス捕手のジョナサン・ルクロイに聞くと、こんな話をしてくれた。

「外角ばかりにしか投げなかったら、彼だって踏み込んでくる。内角にしても同じことがいえる。内角ばかりなら、大谷だって内角に狙いを絞ってくる。どちらを軸にするにしても、1球でいいから大谷が迷うような球をその前のどこかで投げる必要がある。考えさせるんだ」

「ここで仕留める、というプランを描いたとき、その球をより効果的に見せるためにどう伏線を張るか。それ次第ではその球が平凡な球であっても、配球によっては生かせるからね」

駆け引きの妙が透けるが、今であれば相手がどう大谷の外角を攻めるかに加え、「真っすぐ高め」にも注目したいところ。

というのも4月1~30日、5月1~22日の2つの期間を比較したところ、フォーシーム、ツーシームなどファストボール系に空振りする確率が変化していた(「BrooksBaseball」参照)。

・4月 11.32%(空振り6球=対右投手5球、左投手1球)

・5月 42.55%(空振り15球=右投手11球、左投手4球)

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