2018年6月24日(日)

市況低迷、合従連衡促す 日産証券が岡藤HD筆頭株主に

2018/5/25 21:51
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 商品先物の売買高が低迷するなか、取引を仲介する業者の合従連衡の動きが出てきた。日産証券は6月、岡藤ホールディングスの第三者割当増資を引き受け筆頭株主になる。昨年11月には豊商事が同業から商品先物取引部門を取得したばかり。外国為替証拠金(FX)取引などに個人マネーを奪われており、生き残りをかけた業界再編の歯車が回り始めた。

日産証券は自己資金運用業者向けの事業に強みを持つ(都内の本社)

 日産証券と岡藤HDは21日に資本業務提携を発表した。日産証券は岡藤HDが発行・保有する株式を3億6000万円で取得。発行済み株式総数の18.24%を握る。岡藤HDがノウハウを持つ中国や東南アジアの法人顧客を開拓する。取引システムの共同利用でコストを下げる狙いもある。

 日産証券は、東京商品取引所で存在感を増す海外の自己資金運用業者の取引仲介に強く、株式や債券も手掛ける。非上場で2017年3月期の純利益は3億1100万円。今年2月、岡藤HDに「将来的な法人事業の統合を含めた協業」の可能性を打診していた。

 岡藤HDはジャスダック上場で、1951年創業の先物老舗の岡藤商事が中核。18年3月期は2期連続の連結最終赤字で無配に転落した。提携発表翌日の22日、岡藤HDの株価はストップ高に。「将来的な収益拡大の手を打つことができた」(同社)のが好感された。

 岡藤HDは調達する資金のうち9200万円で借入金を返済。2億円は「M&A(合併・買収)等の資金」としたが案件は検討中。M&Aが成立しない場合は運転資金などに充てる。

 業績不振に苦しむのは岡藤HDだけではない。上場する商品先物取引会社4社のうち、小林洋行など3社が18年3月期に最終赤字だった。

 東商取自体も赤字が続く。個人投資家の商品先物の売買が振るわないためだ。17年の売買高は2419万枚と10年で半減。受託取引参加者は4分の1の15社まで減った。

 25日に発表した18年3月期の連結決算は最終赤字が7億2700万円(前の期は10億9900万円)。手数料の引き上げで売上高にあたる営業収益は30億9500万円と5%増えたが、3期連続の最終赤字。浜田隆道社長は「報酬委員会に執行役の報酬削減の検討を依頼する」と述べた。

 「かつてレバレッジの効く投資対象といえば商品先物だったが、今はFX取引や仮想通貨がある。商品は厳しい」(商品会社首脳)。それでも集約が進まなかったのは「互いが抱えるリスクなどがみえず、不信感があった」(関係者)からだ。

 昨年から風向きは変わりつつある。豊商事はエボリューションジャパン(東京・千代田)の商品部門を11億円で取得し、18年3月期は増収効果で連結最終黒字に転換。配当を倍増させ、統合効果を早速示した。業界に逆風が吹き続けるなか、優勝劣敗が一段と鮮明になっていく可能性がある。

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