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チリSQM、リチウムの生産能力3.8倍に EV普及で570億円投資

米FMCの炭酸リチウム精製プラント(アルゼンチン北部カタマルカ)

【サンパウロ=外山尚之】電気自動車(EV)の蓄電池の基幹部材であるリチウムを巡り、南米で生産能力を拡大する動きが相次いでいる。チリの資源大手SQMは24日、5億2500万ドル(約570億円)を投じて生産能力を3.8倍に増やすと発表。アルゼンチンでは米FMCや豊田通商が増産投資に動く。EV普及をにらんで中国マネーも流入しており、供給増が続きそうだ。

SQMは2021年までに、チリ国内にある炭酸リチウムの精製プラントを拡張し、生産能力を年産18万トンと現在の4万8000トンから大幅に増やす。同社は「過去2年間は在庫を減らすなどして公称能力より多くのリチウムを販売していた」とし、需要増に供給が追いついていなかったと説明する。

今回の投資は国策でEVの普及を進める中国市場を狙ったものとの見方が強い。17日には中国リチウム大手の天斉●(かねへんに里)業が約40億ドルを投じてSQMの24%の株式を取得することで合意したと発表したばかりだった。

隣国アルゼンチンでは米FMCが19年までに3億ドルを投じ、炭酸リチウムの生産能力を年産4万トンと現在の2倍に増やす。同国では豊田通商も出資先の豪資源会社と炭酸リチウムの増産に取り組んでおり、南米では投資ラッシュの様相を呈している。

リチウムの価格は高騰が続く。米地質調査所(USGS)によると、17年の炭酸リチウムの平均取引価格は1トンあたり1万3900ドルと、2年間で倍増。「中国政府がEV普及を掲げるようになり、バブルの状況だ」(日系電池メーカー)との声も聞こえる。一方、欧州でも自動車が内燃機関から電動化へ向かう動きがあり、蓄電池用部材の需要は今後も底堅く拡大すると見る向きもある。

USGSの調査では、リチウム資源の埋蔵量はチリやアルゼンチンなど南米地域が6割を占める。各国とも塩湖に含まれるリチウムを天日干しした上で精製し、純度を高める手法が主流となっている。

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