金沢の金箔、世界に 黄金甲冑に戦国絵巻を投映

2018/5/25 10:41
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金沢市の名産品、金箔の歴史や技術を紹介する観光施設「箔巧館」で、黄金に輝く甲冑(かっちゅう)に映し出される戦国絵巻の映像が幻想的と人気を集めている。地元の伝統工芸を世界に発信しようと4月にリニューアルオープンされた。運営する浅野達也さん(49)は「金沢といえば金箔と思われるように売り込みたい」と夢を膨らませる。

プロジェクションマッピングの映像が投影された、前田利家の甲冑のレプリカが鎮座する部屋(金沢市の「箔巧館」)=共同

「きれい」「すごい」。初代加賀藩主、前田利家の甲冑のレプリカを中央に据えて1万枚の金箔を壁に張った部屋に、プロジェクションマッピングで利家の金沢城入城をイメージした映像が投映されると、反射した光がさまざまな表情を見せ来場者の目を奪った。

リニューアルで投映機器の導入後、写真共有アプリ「インスタグラム」で話題を呼び、2015年の北陸新幹線開業も手伝って国内外のツアー客が多く訪れる。

市立安江金箔工芸館の川上明孝館長によると、国内の生産量は金沢が99%以上を占め、金閣寺や日光東照宮にも使われる。利家が武具や城の装飾のため、1593年に製造を命じたのが始まりとされる。

施設の隣にある金箔製造販売会社「箔一」の社長を務める浅野さんは「古くさくてつまらないという印象を変えたかった」と話す。パネル展示だけだったのを、現実の光景に仮想画像を重ねる拡張現実(AR)などを活用し体験型施設にしたほか、現代風にアレンジした屏風や食器なども展示。金箔を練り込んだ化粧品や食品など身近な商品も開発した。

2017年2月の日米首脳会談で、安倍晋三首相がトランプ米大統領に贈った金のボールペンや小箱を手掛け、質の高さで知られている。

金沢では海外からの発注も増えている一方で、職人の後継者不足が進む。伝統を守ろうと、浅野さんは工程ごとにいる職人を自社で雇って技を磨かせる。「日々進化を続け、金箔のようにいっそう輝かせていきたい」〔共同〕

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