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北朝鮮、核実験場を廃棄 非核化の姿勢アピール

【ソウル=山田健一】北朝鮮が北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場を廃棄した。北朝鮮が開催した核実験場廃棄の式典取材を認められた米AP通信が24日報じた。4月27日の首脳会談で南北が署名した「板門店宣言」で掲げた、北朝鮮に非核化の意思があることを示した。ただ核実験場が使用不能になったのかなどは不明で、米国が求める完全な非核化の実現にはなおハードルは高い。

AP通信によると、北朝鮮は24日午前11時から豊渓里で核実験場の廃棄を実行。韓国や米国など北朝鮮が取材を受け入れた5カ国の取材団が、北朝鮮が取材用に特設したとみられる展望台から、核実験場につながる坑道が爆破される様子を確認した。午前に1つ、午後に2つの坑道を爆破したという。

北朝鮮外務省は12日、核実験場の廃棄方法について「入り口を完全に閉鎖した後、地上にある全ての観測設備と研究所、フェンスなどの構造物を順次撤去する手順で進める」と説明。研究員も退去させ、非核化の意思表明が偽りでないと強調する狙いとみられる。ただ、一部の専門家の中には、核実験場が完全に廃棄されれば、試料採取などの将来的な査察も困難になり、核兵器の実態解明が遠のくとの懸念もある。

豊渓里は北東部・咸鏡北道吉州郡の山岳地帯に位置し、周辺は1970年代から一般の出入りが禁止されたとされる。2006年10月に初の核実験を実施。17年9月の6回目の核実験の爆発規模は日本の防衛省推定で160キロトンと、広島に投下された原爆の10倍に達した。水爆とみられる。

金正恩(キム・ジョンウン)氏は4月の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談で「既存の施設よりさらに大きな2つの坑道がある」と述べて核実験場を廃棄する意思を明かした。これを受け北朝鮮外務省は23~25日の間に天候などを勘案しつつ、廃棄を実行するとしていた。

もっとも北朝鮮は05年の6カ国協議の結果に基づいて、平壌の北方にある寧辺の原子炉の冷却塔を08年に爆破したが、09年にミサイル発射実験と核実験を再開した。心臓部の原子炉も手つかずに終わり、13年には原子炉の再稼働を宣言した。

こうした経緯から今回も見せかけだけに終わるのではないかとの懸念がある。専門家の中には北朝鮮は過去の核実験で必要なデータを入手し、実験なしでも核開発を続けられるとの分析もある。

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