2018年9月23日(日)

音声AIでどう稼ぐ 後発グーグル、必死の模索

CBインサイツ
コラム(テクノロジー)
AI
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2018/5/28 2:00 (2018/5/28 10:18更新)
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 アマゾンの「アレクサ」やアップルの「Siri(シリ)」、マイクロソフトの「コルタナ」といったAIで処理される質問が、グーグルの主な収入源である検索の強みを脅かしている。そう考えると、グーグルがAIアシスタントや、その発展につながるAIと自然言語処理を重視しているのも当然だろう。グーグルにとってAIアシスタントは今や、検索と並ぶ最優先事項と言えるようだ。

 実際、グーグルの親会社である米アルファベットが17年末に開いた決算説明会で、スンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は検索とグーグル・アシスタントがグーグルの事業の「柱」だと説明した。具体的には、機械学習の性能を高め、グーグル・アシスタントに資金を投じるために、設備投資費を増やす方針を明らかにした。

グーグルのAIスピーカー「グーグルホーム」

グーグルのAIスピーカー「グーグルホーム」

 一方、ここ数年は音声AIを強化するため、M&A(合併・買収)も進めている。グーグル・アシスタントとグーグル・ホームのエコシステム(生態系)を拡充することが目的だ。その一部は次の通り。

・自然言語対話プラットフォームの米API.aiを買収(16年9月)。API.aiはグーグルのボット作成サービス「Dialogflow(ダイアログフロー)」の一翼を担っている。

・スマート温度コントロール(サーモスタット)を手掛ける米Nest labs(ネストラボ)を買収(14年2月)。

・様々なスマートホーム技術をモバイルアプリに集約するサービスを提供していた米Revolv(リボルブ)を買収(14年10月)。ネストと合併させるのが買収の狙いだったが、16年にリボルブのサービスを終了した。

・あらゆるモノがネットにつながる「IoT」製品の開発プラットフォームXively(ザイブリー)を米LogMeln(ログミーイン)から買収(18年2月)。

 グーグルはさらに前進し、グーグル・アシスタントと検索の操作性を向上させたいと考えている。

 ピチャイ氏は17年10~12月期の決算説明会で、これらの操作性にはまだ改善の余地があると発言した。「ユーザーにきちんと対応できず、期待に沿えていない部分がある」と自ら認めている。デュプレックスが提供する電話予約サービスなど、音声アシスタントでユーザーの仕事を成し遂げるサービスを増やすのも、改善の一環だ。

 グーグルはデュプレックスに加え、グーグルアシスタントの最新機能も発表した。主な特徴は次の通りだ。

・アンドロイド端末で食品を注文:アンドロイド端末で食品の配送や店頭受け取りを注文できるようになる。注文履歴やお気に入りも記憶してくれる。

・指示を出しやすく:前回のコマンドから8秒以内なら、合言葉の「OK、グーグル」を言わなくても連続して指示を出せる。

・マナーの指導:小さな子どもに丁寧な言い方を教える新機能「Pretty Please(プリティ・プリーズ)」をグーグルホームに導入。グーグルホームは適宜「~してください」や「ありがとう」と言われた場合にだけ反応する。

・新たな音声の追加:グーグルアシスタントに6つの新たな音声が加わる。その一つは有名歌手のジョン・レジェンドさんの声だ。新たな声はより人間らしくなる。

 音声は新たなユーザー・インターフェースとして台頭しつつある。ただ、この分野で広告や課金システムが構築されるとすれば、どんな仕組みがうまく行くのか、まだ手探りの状態だ。音声検索をどう収益化するのか。グーグルが模索しているであろう解がどのようなものか、興味深いところだ。

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