2018年11月18日(日)

音声AIでどう稼ぐ 後発グーグル、必死の模索

CBインサイツ
米巨大ITへの逆風
コラム(テクノロジー)
AI
(1/2ページ)
2018/5/28 2:00 (2018/5/28 10:18更新)
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 「ポスト・スマホ」の本命と言われるAI(人工知能)スピーカー。まだ日本ではなじみが薄いが米国の「テック・ジャイアント」が競って開発に力を入れている。その中で意外にも出遅れたように見えたのが米グーグルだ。同社は検索で築いた情報技術(IT)の覇権をAIスピーカーで失うのか。そうならないために急ピッチで巻き返しに向かっている実態が浮き彫りになってきた。

グーグルは2016年に音声認識ができるAIアシスタント「グーグル・アシスタント」をリリースして以来、米アマゾン・ドット・コムや米アップルなどのIT大手と優れたAIアシスタントの開発にしのぎを削ってきた。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しました。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週1回掲載します。

グーグルはライバル各社よりも数年遅れてこの分野に参入し、追い付こうとしてきたが、少なくとも性能の面では飛躍的な進化を遂げているようだ。

実際に市場でも勢いを増しつつある。17年10~12月期の世界のAIスピーカー市場でのグーグルのシェアは36%で、前年同期の9%から急上昇した。一方、アマゾンは前年同期の88%から52%に下がった。まだまだアマゾンがリードしているが、グーグルがその背中に迫っているといえるだろう。

5月8日、AIの有用性を訴えるグーグルのピチャイCEO(カリフォルニア州マウンテンビュー市)

5月8日、AIの有用性を訴えるグーグルのピチャイCEO(カリフォルニア州マウンテンビュー市)

グーグルはこのほど、グーグル・アシスタントのアップデートとともに、ユーザーの代わりに電話をかけて話せる音声システム「Google Duplex(グーグル・デュプレックス)」も発表した。

この技術は音声AIの開発競争が新たな段階に入ったことを示している。

デュプレックスはレストランの予約など、日常生活でよくある用事をユーザーの代わりにこなすことができる。

グーグルが17年に類似の技術で特許を申請した際の資料だった次の図は、こうしたやりとりを単純化した場合の概略だ。

とはいえ、まだデュプレックスがこなせることは予約などに限られる。複雑で理解できない場合には、自ら不可能だと判断し、人間に作業を完了してもらうようサインを出す仕組みだ。

グーグルによる下記の図は、デュプレックスはグーグル・アシスタントの代わりではなく、延長であることを示している。

グーグルは今夏にデュプレックスの試用版をリリースする。米国内だけで展開するのか、海外にも拡大するのかはまだ明らかにしていないが、インドやブラジルではデジタル化があまり進んでおらず、お店への問い合わせなどは電話が使われることが多い。グーグルがこうした市場でデュプレックスを発売しても不思議ではない。

■グーグル幹部、AIに強い関心

グーグルがAIに力を入れていることは、同社幹部の発言からもはっきりと裏付けられる。グーグルが決算説明会でAI関連製品に言及した回数は16年後半に急増し、それ以降も高い水準を維持している。昨年はやや減ったものの、18年1~3月期には再び増えた。

決算説明会でのAI、機械学習、グーグル・アシスタントへの言及回数

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